一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

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一般の皆さん

頭・顔・くびの症状

めまい・ふらふらする

 自分や周囲が動いていないのに動いているように感じる感覚をめまいといいます。急激に体のバランスが崩れると回転感になり、ゆっくり崩れる場合はフラフラ感になりやすいため、「めまいが強ければ命にかかわる重大な病気、弱ければ心配ない病気」とはかぎりません。めまいの原因は多岐にわたるため、患者さんはいろいろな科を訪れます。耳鼻咽喉科には、めまいや難聴を専門に扱う神経耳科という分野があります。そのため、いろいろな科から紹介されることが多く、総合的に検査、診断した上で、内耳性めまいは耳鼻科で治療し、それ以外のめまいは必要に応じて精密検査や治療のために再び各科にふり分けるという役目を担っています。
 めまいの診断のため、詳しい問診と、眼の動きを観察する検査(眼振検査)、聴力検査、体のふらつきを調べる検査、神経学的検査などの必須の検査に加え、さらに、必要に応じて血液検査、心理学的検査、レントゲン検査、CT、MRIなどが行われます。検査をしても診断がつかないケースもありますが、生命に関わるような重大な病気を否定することができれば、それだけでも検査をする意義があると思います。

眼振検査(赤外線CCDカメラ)

頭が重い

 頭が重い、頭がしめ付けられるなどの症状は頭重感と呼ばれますが、頭痛の一種と考えることもできます。原因は、基礎疾患がある場合とない場合に大きく分けられます。くびから上のさまざまな病気が基礎疾患となりえますが、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍などの脳の病気副鼻腔炎などの鼻の病気、緑内障などの眼の病気が代表的なものです。基礎疾患が見つからない場合は、くびや肩のこり、片頭痛、うつ病などの精神疾患、あるいは睡眠不足やストレスなどの生活習慣が、原因あるいは誘因と考えられます。症状が続く場合は、まず基礎疾患がないかどうか調べる必要がありますが、頭のどの部分に症状が強いか、他にどんな症状があるかで何科を受診するかを決めるのがよいと思います。眼の周囲や頬など頭の前方に症状が強く、粘った鼻がでる場合は副鼻腔炎の可能性が大きいので、まず耳鼻咽喉科を受診してください。

顔が痛い

 頬や目の奥が痛むときは、副鼻腔炎といって、鼻のまわりにある副鼻腔で炎症が起きていることがあります。また、顔にある三叉神経が障害されると三叉神経痛となり痛みますが、数分でおさまることが多いようです。痛むところに水泡ができていればウィルスによる帯状疱疹が考えられます。痛みが続くときにはがんのこともありますから、そのようなときには耳鼻咽喉科を受診して、しっかり治療いたしましょう。

顔が曲がる

 顔の一部が思うように動かなくなったり、顔が曲がった状態になると顔面神経麻痺が疑われます。片方の顔面に違和感を感じる、まぶたが閉じにくくなる、水を飲むと口から漏れてしまうといった症状で気付かれることもあります。顔面神経には、涙や唾液の分泌に関わる神経、味覚をつかさどる神経、大きな音から内耳を守るために鼓膜の動きを調節する神経などが含まれています。そのため、麻痺と同時に、涙や唾液が出にくい、味覚障害、音が響いて聞こえるなどの症状を伴うこともあります。はっきりした原因がなく顔面神経麻痺だけが生じる場合は、最初の報告者にちなんでベル麻痺とよばれますが、体内に潜んでいた単純ヘルペスの再活性が病因ではないかといわれています。顔面神経麻痺と同時に耳の周囲に水疱(帯状疱疹)が見られる場合はハント症候群とよばれ、めまい難聴耳なりなどを伴うこともあります。

顔がピクピクする

 顔の半分が、自分の意思とは関係なくピクピク動くことを顔面けいれんと呼びます。一般には眼のまわりから始まり口の周りやほほに広がり、緊張した時などに、より起こりやすくなります。このけいれんは、頭の深部で血管が神経を圧迫することにより起こるため、その血管を移動して圧迫を取り除く手術(ジャネッタの手術)が行われたり、食中毒の原因となるボツリヌス菌の毒素を顔の筋肉に注射して、一定期間けいれんを抑える方法もあります。顔がピクピクする他の原因としては、顔面神経麻痺が回復してくるときに、本来とは異なる神経同士がつながってしまい、顔のどこかを動かす時に他の場所が一緒に動いてしまう異常共同運動があります。お子さんで、突発的かつ無意識に顔の一部を動かす動作がみられる場合は、チック症の可能性があります。疲れや肩こりがひどい時など、まぶたがぴくぴくする程度の症状は誰にもありますので心配ありません。

くびが痛い

 くびは常にボーリングの球ほどの重さのある頭を支え、また頭と体をつなぐ重要な器官が通っている場所です。ひと口にくびの痛みといっても、表面、奥の方、その中間、さらに、前、後、側面など部位によってさまざまな原因が考えられます。そこで、原因を調べるために、まず表面を見て、外傷、おでき、ヘルペスなどの有無をチェックします。次に、リンパ節、筋肉の張り具合、血管や神経の走行に沿った痛みの有無、しこりの有無、顎下腺、甲状腺などを指で触って調べます。のど、気管、食道の入り口など、くびの一番奥の部分に対しては、鼻から内視鏡を使って観察することができます。必要に応じて超音波検査やMRIも行われます。以上の検査に関しては耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門分野です。頸椎、靱帯、筋肉などについての検査は整形外科の領域となります。治療は原因によって異なりますので、まずは原因検索のために耳鼻咽喉科か整形外科を受診してください。

くびに腫れものがある

 急に腫れてきたか、いつのまにか段々大きくなってきたか、一つか二つ以上か、場所はくびのどのあたりかなどで病気はそれぞれ異なります。炎症の場合は経過が急で、痛み、発熱をともなうことが多く、通常は抗菌薬などで改善しますが、急速に悪化し、入院治療を要することもあります。腫瘍の場合、多くは徐々に大きくなります。良性であれば摘出手術が最適ですが、悪性の場合、原発か、転移リンパ節か、その他のがんかなどにより治療法、予後が異なるので、まず診断を確定することが大事です。