一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

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一般の皆さん

口・のどの症状

のどが痛い

 のどが炎症を起こすと神経が刺激され、痛みを感じます。かぜのほか、のどの炎症には、のどの粘膜が腫れた咽頭炎・扁桃腺が腫れた扁桃炎・扁桃のまわりに膿がたまった扁桃周囲膿瘍・のどの奥の喉頭が腫れた喉頭炎・喉頭の入口にある喉頭蓋が腫れた急性喉頭蓋(がい)炎などがあります。
 扁桃炎扁桃周囲膿瘍はものを飲みこむときの強い痛みがあります。喉頭炎は声がかれます。急性喉頭蓋炎は強く腫れると気道をふさぎ呼吸困難になることがあるので注意が必要です。のどに痛みがあり、呼吸がつらいと感じたら直ちに耳鼻咽喉科医を受診してください。

のどに違和感がある

 のどがすっきりしない、違和感がある、異物感があるなど、のどの異常感を訴える人は多いものです。慢性の咽頭炎扁桃炎喉頭炎のほか、喉頭がん咽頭がんの初期症状の場合がありますので早目に耳鼻咽喉科で診察を受けられることをおすすめします。また、胃食道逆流症や加齢によるのどの粘膜の分泌低下などによって違和感が生じる場合もあります。原因となる疾患がなくてものどの異物感を感じる場合があり、咽喉頭異常感症と呼ばれますが、心身症の一種と考えられています。

息がしにくい

 実際に息がしづらいときは生命にかかわることもあるので、速やかな処置が必要ですが、もし余裕があれば、まず、本当に息がしにくいのか、あるいは息ができないのか、それともしにくい気がするだけなのかを区別することが大事です。ゆっくり深呼吸してみて、楽に息を吸ったり吐いたりすることができれば、精神的な問題も原因として考えられます。しかし、呼吸がうまくできず、ぜいぜい、あるいはヒューヒューといった音がする、さらに声もかれている、むせるなどの症状がともなっているときは、空気の通り道が何らかの原因で狭くなっている可能性があるので、急いで原因を調べ、対応しなければなりません。また、深呼吸そのものができない場合、空気の通り道は正常でも呼吸に関係する筋肉の働きが弱っていることも考えられ、いずれにしても早めの受診が必要です。

しゃべりにくい

 人が言葉をしゃべるとき、音としての声そのものが出にくいのか、音はふつうに出せるがうまく言葉にできないのか区別しにくいかもしれません。前者は医学的には発声障害と呼ばれます。ここでは医学的には言語障害と呼ばれる後者について説明します。声帯で声が作られ、咽頭、口腔(舌)、鼻腔で言葉になるので、声は出せるけど言葉にならない、あるいは言葉がはっきりしないときは、声帯以外の器官に異常が起きていることが考えられます。原因、病状は多岐にわたり、たとえば同じ脳卒中後でも、口腔や舌の筋肉を動かす神経が麻痺してろれつがまわらないといった症状が出ることもあれば(運動性構音障害)、脳の言語中枢に障害が起きて意味のある言葉をしゃべることができない状態になることもあります(失語症)。その他、言語発達遅滞(ちたい)、脳性麻痺、口蓋裂(こうがいれつ)など小児期に対処が必要な言葉の障害、がんや怪我によって口腔や舌の形状が変化したり動きにくくなることによる言葉の障害もあるので、まず原因を確定し、専門家による適切な処置を講ずる必要があります。

声がかれる

 声のかれを起こす代表的な病気はかぜにともなう急性喉頭炎ですが、この場合、声のかれは病気の改善とともに良くなります。急性喉頭蓋炎では声のかれの他に強いのどの痛みや呼吸困難が起こります。声のかれが長い期間にわたって続く場合には、声帯ポリープ声帯結節喉頭がん下咽頭がん、声帯麻痺(反回神経麻痺)などを疑う必要があります。声がかれた場合には、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

せき・痰が出る

 1~2週間程度の一時的なせきを起こす代表的な病気はかぜですが、とくに急性喉頭炎や急性気管支炎を起こした場合にはせきが出やすくなります。長い期間にわたってせきが続く場合には、胃食道逆流症や、喉頭アレルギー、血圧の薬の副作用、せき喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺がんなどさまざまな病気の可能性があります。痰は、呼吸器の粘膜を保つために分泌されている液体が、かぜや気管支炎、気管支喘息、咽頭炎喉頭炎などによって増えてしまい、のどから塊になって出されるものです。せきや痰が続く場合には、内科や耳鼻咽喉科の診察を受けることが大切です。

痰に血が混じる

 口から出たものに混じる血は、いろいろなところから出血している可能性があります。鼻、歯ぐき、のど、食道などの消化器、肺などの呼吸器、いずれから出血しても痰に血が混じります。
 耳鼻科では鼻血が出ていないか、口の中から出血していないか、のどの奥から出血していないか、また鼻・口・のどにがんがないかなどを中心に調べます。耳鼻科領域に何も異常がなければ、内科の先生に首から下を調べてもらうことになります。

飲み込めない・むせる

 食べ物や飲み物は、のどから食道に入り、胃に送り込まれます。飲み込めないという症状がでるときは、通り道のどこかが何らかの理由で狭くなっている、あるいは送り込む筋肉などの働きが低下しているといった理由が考えられます。炎症の場合も粘膜が腫れて飲み込めないという症状のでることがありますが、もっとも注意する必要があるのは腫瘍、なかでも悪性腫瘍により通り道が狭くなる状態なので、咽頭がん、食道がんなどの有無をしっかり確認する必要があります。むせるというのは本来は食道、胃に入る飲食物が喉頭でうまく仕分けされず、気管、気管支に入り、その刺激で咳が出る状態です(誤嚥:ごえん)。この場合も悪性腫瘍の存在や、声帯の運動障害の有無などをチェックする必要があります。高齢者で飲み込みの機能が低下し、誤嚥を繰り返すと重篤な肺炎になることもあります(矢印)。

高齢者の嚥下性肺炎症例

いびきをかく

 いびきは、睡眠中にのどがせまくなり呼吸によって振動しやすくなるために起こります。睡眠時無呼吸症候群が代表的な病気ですが、無呼吸をともなわない場合には単純ないびき症と呼ばれます。また、副鼻腔炎アレルギー性鼻炎など鼻の病気があるといびきをかきやすくなります。いびきの診断には、のどや鼻の診察と内視鏡検査、顎のX線検査、睡眠検査などを行います。

味がしない