一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

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学会について

理事長あいさつ

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新年のご挨拶

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 理事長 森山  寛

 新年あけましておめでとうございます。 新たな年を迎えるに当たり、ご挨拶を申し上げます。
 平成30年5月の総会において理事長に再任され平成30・31年度の2年間のかじ取りを任されました。耳鼻咽喉科・頭頸部外科学の幅広い領域の医学・医療の発展に貢献するとともに、良質な医療を提供し、基礎・臨床研究の推進、活発な国際交流、学術の振興や生涯学習を更に加速してまいります。
 本学会は昨年に設立125周年を迎えました。明治25年(1892年)に本学会の初代会頭の金杉英五郎が当時、欧州においては独立していた耳科、鼻・咽頭科、喉頭科の3つの診療科を、世界に先駆けて耳鼻咽喉科学という学問体系として一つにまとめ講義を開始しました。翌 明治26年(1893年)日本耳鼻咽喉科学会の嚆矢となる“東京耳鼻咽喉科会”創立と同時に学術誌を創刊し、学会の基礎をつくりました。以来長い歴史を刻んでおり、現在では、総会員数約11000名、専門医は約8800名であり、関連する学会は16を数えます。
 耳鼻咽喉科・頭頸部外科は感覚器・運動器科学であり、その対象となる領域や疾患は多岐に及び境界領域の多い科です。そして乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の疾患に対して外科的・内科的な診療を行う科であり、五感のうち聴覚・嗅覚・味覚・触覚を扱い、人間社会の発展や文化形成に重要な感覚器官です。これらの器官に障害があると、コミュニケーション(聴覚、音声言語)や摂食嚥下などに支障を来しQOLは低下します。とくに超高齢・長寿社会における高齢者の難聴、バランスや嚥下機能の障害、嗅覚・味覚障害を含め感覚器機能の低下は、QOL・ADL、認知機能、健康寿命に大きく影響します。
 毎年5月の総会・学術講演会、11月の専門医講習会を始め、多彩な学術集会・講習会の開催や、日耳鼻会報や英文誌(ANL)などの学術誌を定期刊行しております。学術的な貢献だけではなく、地域医療、学校保健、成人老年・乳幼児における福祉医療、保険医療などの社会的課題の解決にも熱心に取り組んでおります。
 これら健全な学会運営と社会貢献のために22の委員会がそれぞれ有機的に活動しております。また男女共同参画推進のため、女性医師の委員登用も積極的に行い全体の約20%となっています。
 専門性の高い診療領域である当科においては、生涯教育の一環として昭和59年より、良医育成のための知識だけではなく症例の経験や検査、手術まであらゆる臨床現場に対応できる医師の育成を目指し専門医制度を運用してきました。そして平成29年度からはさらに臨床実績を重視した新たな専門研修プログラムを導入した専門医制度を運営し、大学病院などを中心に地域を含めた関連施設で学習する研修プログラムによる質の高い専門医の育成を行っております。
 提供する医療の質の担保は、学会として国民に向けての大きな責任であります。従来は、補聴器相談医、めまい相談医、嚥下相談医の制度など日耳鼻や関連する学会認定として相談医という仕組みで対応してきましたが、耳科と鼻科の領域において新たに“手術指導医”の制度設計を検討しています。
 また若手医師の研究促進を図るべく日耳鼻研究奨励賞を新設しました。
 来たる150周年に向けて、患者さんから信頼される医療体制の構築をめざしながら、国民の保健・医療・福祉への啓発、貢献をゴールに、学会としての重要課題である「学術の振興」、「質の高い専門医の育成」、「信頼できる医療の提供」の3つの柱を強化して参ります。
 「信頼できる良質な医療の提供」のためには“他科とくに境界領域との連携・協調”が重要であります。患者さんを中心に他科・他職種との連携(協働)体制を構築し、お互いの存在価値、専門性や総合力を高めながら、世界に冠たる耳鼻咽喉科として患者さんの利益に貢献してゆく決意です。

平成31年1月7日

2019年1月7日掲載