一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

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理事長あいさつバックナンバー

バックナンバー 歴代理事長

“超高齢少子社会における耳鼻咽喉科の重要性”

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 理事長 森山  寛

 新年あけましておめでとうございます。 新たな年を迎えるに当たり、ご挨拶をさせていただきます。
 QOLに直結する感覚器を扱う耳鼻咽喉科は、頭頸部外科学も含め多彩な領域をカバーし、境界領域も豊富であり、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の疾患の診療をいたします。また診断から保存・手術的治療まで一貫して関与でき、外科でありながら内科的な治療も行う魅力的な学問・診療領域であります。
 近年とくに感覚器の重要性や感覚器に起因する諸問題が生活や職場において認識、指摘されています。多くの感覚器を扱う耳鼻咽喉科は、超高齢少子社会における様々な課題解決に向け、最も存在感を期待される診療科と言えます。聴覚、平衡覚、味覚、嗅覚、発声・構音や嚥下機能の障害などは、小児においては言語獲得に、また高齢者においては、うつ症状、認知機能にも影響し、QOLの大幅な低下につながります。小児の成長、高齢者および家族の活力を損なわないためにも、早期治療、予防に対して積極的な関与が重要となります。
 1600名以上の急激な医学部の定員増で医師の過剰も喫緊の課題となっていますが、耳鼻咽喉科は広い領域を守備範囲としながらも、志望者の減少に悩まされてきました。近い将来の耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域を担う中堅のマンパワー不足から、地域における耳鼻咽喉科の適正な医療供給の障害の可能性がありましたが、平成30年度は、専攻医の増加が見込めます。超高齢少子社会における感覚器科学の重要性、やりがい、また各プログラムの充実などが、研修医や医学生に理解されつつある結果と、大変意気に感じております。このまま順調に志望者が増え続けてくれれば、そのマンパワー不足も払しょくされ、患者、社会からの期待に十分に応えてゆくことができます。
 現在、日本耳鼻咽喉科学会は、“医会の全国組織化”、“学術講演会・専門医講習会の企画の多様化”、“学会の集約化、統合”、“充実した研修制度の維持”、“会員情報の一元管理”、“他科とくに境界領域との協調”などの重点施策の遂行、検討により、良質な医療の提供、地域医療への貢献、耳鼻咽喉科の学術・教育の充実、学会運営の活性化を少しずつ実現しています。他科と互いの診療科を認め合いながら、患者さんを中心とした協働体制を構築する方向で活動しております。他科との調和、連携によりお互いの存在価値、専門性を高めながら、患者さんの利益に貢献してゆくことにもなると思います。
 世界に先駆けて「耳鼻咽喉科学」を立ち上げ125年、長い歴史を持つ日本の耳鼻咽喉科は、ある意味成熟した医学・医療の領域ですが、さらなる先端研究や高度先進医療の開発も進んでおり、それらの提供とともに新たな歴史を刻んでまいります。
 今年も皆様にとりまして、また医学・医療にとりましても良い年となりますように祈願しております。

2018年1月5日掲載