一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

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学会について

沿革

3.近年の耳鼻咽喉科学の発展と学会現況

 昭和58年7月、学会は創立90周年を機に『日本耳鼻咽喉科史』を発刊したが、その後の10年間の画像処理技術、遺伝子工学、電子工学など、先端技術の進歩に伴って医学の発展も目覚ましく、耳鼻咽喉科の学術ならびに医療も著しく進歩した。

 一方、高齢化社会を迎えての医療・疾病構造の変化、エイズやMRSAなど新たな疾患の台頭、また一方、医師数の増加、医療法の改正、医療費の節減、病診連携・機能分担、卒前・卒後の医学教育と生涯教育、専門医(認定医)制度などが新たな課題となった。さらに、生命の質(QOL)の向上、脳死問題と臓器移植、先端技術の導入による倫理問題など、医学と医療は高度の判断を要求される多様性の時代を迎えるに至った。

 学会活動の主目的は学術の振興に寄与することを第一義とするが、日本耳鼻咽喉科学会は他学会に先がけて社会医療事業をはじめこれら諸問題に対して熱意を注ぎ、時代の要請に応えてきている。この活動内容は『学会会報』所載の理事会記録や各種報告に示され、また本書所載の「委員会記録」にも明らかにされている。

 たとえば委員会構成では、昭和58年以降、専門医制度委員会(昭和58年設置)、「関連する学会」委員会(昭和61年設置)、産業・環境保健委員会(昭和61年設置)、福祉医療委員会(乳幼児医療)(平成2年設置)の4委員会を新設し、既存の13委員会ともども相提携し、業務を遂行している。

 また斯学の隆昌の一端として、諸外国で開催される国際学会に出席・出題する会員は年々多く、またこの10年間に海外雑誌に掲載された耳鼻咽喉科関連の論文は250編余にも及んで、本学会の国際的評価を高めている。なお、『日本耳鼻咽喉科学会会報』には年間約130編の学術論文が掲載され、また、関連する学会・研究会の機関誌にも多くの優れた論文が掲載されてきている。

 学問の進歩に伴い医学が細分化されるのは必然で、わが科においても昭和24年以降これまでに派生した学会・研究会は約25団体にも及んでいる。このうち現在16団体が学会の「関連する学会ならびに研究会」として認可され、それぞれ講演会を開催、会誌を発行し学術活動を続けている。

 さらにこの10年間を展望すると、既存の学会・研究会を発展的解消して新しい学会名のもとに再統合した学会・研究会は7団体、また新たに発会した学会は2団体あり、耳鼻咽喉科学の守備範囲は年々広大となるとともに、充実度を増すに至っている。

 本学会ならびに関連する学会の学術講演会において、高度医療技術導入によるQOLや、病態の告知や尊厳死問題、またインホームド・コンセントなど、医の倫理面を含めたテーマが取り上げられるようになったのも、この10年間における特筆すべきことである。
この間、学会は昭和59年に認定専門医制度を導入し、会員が生涯教育を通じて質的向上を図り、その実績を次第に確実なものとし、社会のニーズに応えてきている。また日耳鼻会員数は、昭和58年3月末7,147名であったものが、10年間を経過した平成5年3月末現在9,432名と2,285名(32%)増となって、着実に発展し隆盛になっている。

4.その後の現況(平成5年から17年)