ネット調査で見えてきた耳鼻咽喉科・頭頸部外科

顔面神経麻痺かもと思ったら、
まず耳鼻咽喉科・頭頸部外科へ
~ ポイントは、早期診断・早期治療 ~

早期治療開始への近道顔面神経麻痺かもと思ったら、まず耳鼻咽喉科・頭頸部外科へ

顔面神経の麻痺なのに、なぜ耳や鼻やのどの専門医に行かないといけないの?と多くの方が思っているかもしれません。ネットの意識調査からも、顔面神経麻痺は耳鼻咽喉科・頭頸部外科の領域と考えている人は、回答者のわずか23.5%、実際に頭部顔面に異常を感じて耳鼻科を受診した人はわずか10%でした。

耳鼻咽喉科で治療ができると思われる「病気」についてすべて
選択してもらったアンケート(横軸 %)
耳鼻咽喉科で治療ができると思われる「病気」についてすべて選択してもらったアンケート
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会による、頭頸部疾患に関する認識調査結果 より

顔面がこわばる、目が閉じない、眉が動かない、口が閉じない、そんな症状の時は、
まず、耳鼻咽喉科・頭頸部外科への受診が必須です。それが時間をムダにせずに早期治療を始める近道だからです。

知っていましたか?顔面神経麻痺は発症から3日以内に受診が大切なこと

顔面神経麻痺は発症してからなるべく早く受診することがとても重要な病気です。
目がうまく閉じない、眉が動かない、口元から水がこぼれる、もしもこんな症状があらわれたら、それは顔面神経麻痺かもしれません。その時、急いでかかりつけ医や脳神経内科などに受診し、MRIなどの様々な検査をしている間に、1週間以上が経過してしまうケースがよくあります。しかし、顔面神経麻痺の場合、発症から3日以内の受診が、完治するか後遺症が残るかの分かれ道になる、重要分岐点と考えられています。

顔面神経麻痺は発症から3日以内に受診が大切なこと

耳鼻科への受診が早期診断、早期治療につながる4つの理由

①耳鼻科は顔面神経麻痺の原因診断ができる

顔面神経の大部分が耳鼻科の領域内

顔面神経は、顔面の筋肉を動かす大事な神経です。この神経の通り道の大部分が耳の骨、耳下腺、顔面にあり、これらはすべて耳鼻科の領域内にあります。この神経に何らかの異常が生じると顔面神経麻痺が起きます。耳鼻咽喉科・頭頸部外科では耳・頸部からの直接的なアプローチにより、早期に原因診断が可能です。

②耳鼻科では麻痺の程度診断ができる

柳原法による40点満点スコアで確認

耳鼻科では柳原法という40点満点のスコア法により、麻痺がどの程度の強さなのか、今後治るか治らないかの診断ができます。
最も発症数が多い「ベル麻痺」の早期治療では90%が完治。次に多いハント症候群も早期治療によって70%が完治しています。

③耳鼻科の電気診断で転帰がわかる

柳原法スコア+筋電図により 正確な程度診断が行える

耳鼻科の外来で行われる電気診断。これは筋電図検査とよばれ、顔面の神経を電気で刺激をすることによる筋肉の反応をみます。この検査により、筋肉や末梢神経のどの程度障害されているかが評価できます。②の柳原法と複合的判断することにより、正確な程度診断ができます。

④耳鼻科では早期治療が適切にできる

麻痺の完治には、適切な早期治療が重要

早期に治療を始めるにはまず原因を特定することが重要です。原因が分かれば次に麻痺の程度診断を行い、その結果に基づいて耳鼻科で治療を開始することができます。耳鼻咽喉科・頭頸部外科では原因の特定から治療までが一貫して行われるため、他科を回って時間をロスすることを防げます。
治療においては、今後の有望な方法として、耳の奥にステロイドを注入する方法があげられます。耳の奥に存在する顔面神経に的確にホルモン剤を投与することにより、少量の薬剤で高い効果を期待することができます。

顔の動きが気になったら

顔面神経麻痺の早期治療の重要さ、また、回り道をせずに耳鼻咽喉科・頭頸部外科への早期受診が、効果的な治療にはとても重要なことが、おわかりいただけましたか?少しでも顔の動きが気になったら、軽い症状だからとためらわず、どうぞ、お近くの耳鼻咽喉科・頭頸部外科にぜひご相談ください。