一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

事業計画・事業報告

平成21年度会務および事業報告

 定款第5条に基づき、前年度に引き続き、耳鼻咽喉科関係の研究・調査、講演会・ワークショップなどの開催、機関誌・図書の発行、社会保障に関する調査などを行った。

通常総会

 第111回通常総会を平成22年5月21日(金曜日)宮城県仙台市青葉区青葉山仙台国際センターにおいて開催。

学術講演会

 第111回学術講演会を平成22年5月20日~22日の3日間、仙台市青葉区青葉山 仙台国際センターにおいて、小林俊光会長のもとに開催、会員の業績発表、特別講演および下記の宿題報告などを施行。

 宿題報告

  1. 聴覚中枢伝導路のイメージング解析とその展望
     高橋 姿(新潟大学教授)
  2. 頭頸部癌治療における分子生物学的アプローチ
     福田 諭(北海道大学教授)

業務事項

  1. 学術講演会助成金:第111回総会・学術講演会のための経費1,300万円を助成した。
  2. 奨学金:宿題報告者 高橋 姿、福田 諭会員に対し奨学金を贈呈した。
  3. 事業
    1. 総務部
      1. 平成21年5月15日(第110回総会日)をもって、平成19・20年度評議員の任期が満了となるため、平成20年12月20日現在の会員より都道府県地方部会ごとに新評議員(平成21・22年度)を選出または推薦し、平成21年7月17日認定した。
      2. 定款・定款施行細則の改正点について引き続き検討した。
      3. 都道府県地方部会長会議ならびに医育機関代表者会議を開催し、当面する問題について討議した。
      4. 平成21年9月26日選挙管理会を発足し、平成22年5月19日執行予定の役員選挙の準備に入った。選挙管理会の長に松永 喬、委員に折舘伸彦、川瀬哲明、小林一女、佐藤克郎の各委員を委嘱した。
      5. 日本学術会議、日本医学会、日本専門医制評価・認定機構、厚生労働省ならびに文部科学省の事業に協力した。
      6. 感覚器医学協議会を日本眼科学会と開催した。
      7. 市民公開講座「見るよろこび、聞くよろこび」を日本眼科学会、日本学術会議と共同で開催した。
      8. 14国公私立大学等による特定領域問題検討会を開催した。
      9. 地域における耳鼻咽喉科医療を推進、充実するため、日耳鼻学会・医会協議会を開催した。また、地域医療に関する情報伝達のための通信(ENT FAX)を行った。
      10. 厚生労働省、国立身体障害者リハビリテーションセンター主催の「補聴器適合判定医師研修会」(平成21年7月13日~7月17日)(平成22年2月22日~2月26日)ならびに「音声言語機能等判定医師研修会」(平成21年10月19日~10月23日)の開催を後援し、また、講師を派遣して協力した。
      11. 「医療機器開発ガイドライン策定事業」ナビゲーション医療分野開発WGに昨年に引き続き参画した。
      12. 耳鼻咽喉科学に関する諸問題について関係省庁や日本医師会と折衝を行った。
      13. 耳鼻咽喉科学に関連する学会と緊密な連絡をはかり、情報の収集、共通の問題について検討した。
      14. 委員会等の英語表記を理事会決定した。
      15. 会員名簿(平成21年版)を刊行した。
      16. 耳鼻咽喉科地域医療に関する全国調査を実施した。
      17. 言語聴覚士との協力体制を検討するため、日本言語聴覚士協会代表との第2回合同会議を平成21年12月14日に開催した。
      18. 耳鼻咽喉科の啓蒙のためカレンダーを制作し、会員に配布した。
      19. 第49回「鼻の日」、第55回「耳の日」を主催し、都道府県地方部会ごとに行事を実施した。また、耳鼻咽喉科に関する広報活動を行った。
      20. ホームページの充実をはかった。
        (1)一般向けには「子どものみみ・はな・のどの病気Q&A」などのコンテンツを引き続き掲載し、会員向けには「理事会ニュース」を随時更新し、情報伝達を行った。
        (2)グローバルナビゲーション(目次)の大幅な見直しを行い、「補聴器相談医について」「名簿検索」「申請書各種ダウンロード」の新規項目を創設した。
        (3)トップページのInformation欄を見直し、「NOTICE」・「TOPIC」の項目に加え「NEWS」の項目を創設した。
        (4)会員向けに、総会・学術講演会をアピールできるよう総会ホームページにリンクを貼る際にバナーを掲載し、「学会出版物」の項目に、「耳鼻咽喉科専門医認定試験問題集」、「嚥下障害診療ガイドライン」のページを加え、各出版社とリンクを貼った。
      21. 国際耳鼻咽喉科学会連合(IFOS)の事業に協力した。
      22. IFOS理事会(2009年6月1日~5日、サンパウロ)に代表者を派遣した。
      23. AAO Annual Meeting(2009年10月4日~7日、サンディエゴ)に代表者を派遣した。
    2. 経理部
      平成21年度決算書ならびに平成22年度予算案などを作成した。
    3. 会報部
      1. 会報の普通号11冊、予稿集号1冊(112巻4号)を刊行した。一回の発行部数は11,000部。また、英文誌(Auris Nasus Larynx)普通号6冊を刊行した。
      2. 投稿規定を改定し、参考文献記載方法の変更や用語の使用方法に関する記載の追加などを行った。
      3. 「他領域からのトピックス」という新コーナーを創設し、他領域の専門家による総説を掲載した。
      4. J-STAGEに日耳鼻会報掲載論文を登載した。
      5. 財団法人国際耳鼻咽喉科学振興会(SPIO)の事業に協力した。
    4. 専門医制度部
      1. 平成21年度専門医認定は試験による者95名、更新による者1,782名、取り消し(逝去・退会・不更新・単位不足・総会、専門医講習会不出席による)は223名である。また、平成21年度研修施設認可は13施設、認可更新は113施設である。これにより平成22年3月31日現在の専門医総数は8,615名、認可研修施設は697施設である。
      2. 平成21年度の学術集会は、870件認可した。うち予め認可された学術集会は、平成21年度認可16件、継続認可11件である。
      3. 平成21年度専門研修登録者は210名である。
      4. 平成14・16年度専門医認定者の更新手続を行った。
      5. 「専門医通信」第99号~102号を発行した。
      6. 平成21年度専門医認定試験を平成21年7月31日~8月1日東京都で実施した。
      7. 日耳鼻専門医証(IDカード)による学会参加受付を関連する学会で実施した。
      8. 平成20年10月から開始した日耳鼻主催の総会・学術講演会、専門医講習会、夏期講習会等の学術講演会を基に、インターネット上で研修単位が取得可能な学術講演研修支援システム「メディカルラーニングネット」は、本システムの運営管理会社(株式会社医療情報プロジェクト)の契約期間満了に伴い平成22年3月31日で終了した。
      9. 認可研修施設指導責任者・専門医制度委員会合同会議を平成22年1月30日東京都で開催した。
    5. 学術部
      1. 専門講座を会報に掲載した。
      2. 嚥下障害講習会を平成22年4月4日東京都で開催した。
      3. 第35回夏期講習会を平成21年7月11日・12日東京都で開催した。
      4. 第23回日耳鼻専門医講習会を平成21年11月21日・22日仙台市で開催した。
      5. 医学部学生・新医師臨床研修医で希望する者が学術講演会に参加した。
    6. 社会医療部
      1. 保険医療委員会
        (1)第4回保険医療委員会全国協議会を平成21年9月27日東京都で開催した。
        (2)耳鼻咽喉科保険医療実態調査を行った。
        (3)外保連の事業に協力した。
        (4)厚生労働省の診断群分類案作成調査研究班に対し、耳鼻咽喉科領域の急性疾患で入院を要する疾患名を網羅し報告したが、同省からさらに対象疾患を広げる依頼があり、これに協力した。
        (5)日本医師会医療保険関連委員会に委員を派遣し、日医の業務に協力した。
        (6)関連する学会の要望ならびに全国協議会の要望を検討し、日医、厚生労働省に新設、改正の要望書を提出した。
        (7)診療報酬改定に伴う伝達会議を平成22年3月21日に開催した。
      2. 産業・環境保健委員会
        (1)産業環境保健問題の調査研究を実施した。
        (2)第19回産業・環境保健講習会(騒音性難聴の部)を平成22年1月28日・29日東京で開催した。
        (3)騒音性難聴担当医の地域産業保健センターへの登録ならびに活動調査を実施した。
        (4)厚生労働省、日医、全衛連等の関連団体および日本聴覚医学会等と交流した。
      3. 福祉医療委員会
        (1)第35回全国身体障害者福祉医療講習会および第15回補聴器キーパーソン全国会議を平成21年6月13日・14日下関市で開催した。
        (2)補聴器相談医の認定証を発行し、相談医の認定数は計4,166名となった。
        (3)3歳児聴覚検診実態調査を行った。
        (4)平成21年度「新生児聴覚スクリーニング後の精密聴力検査機関の実態調査」を行い、その結果をもとに「新生児聴覚スクリーニング後の精密聴力検査機関リスト」の改訂案を作成した。
        (5)1歳6カ月児および3歳児聴覚検診リーフレット「難聴を見逃さないために1歳6カ月児健康診査および3歳児健康診査」を作成した。
      4. 学校保健委員会
        (1)平成21年度「耳鼻咽喉科学校保健の動向」を刊行した。
        (2)日本学校保健会センター事業へ参加した。
        (3)日本医師会学校保健事業へ参加した。
        (4)音声言語障害の検診の見直しとその普及に努めた。
        (5)小児心因性難聴の発見と普及に努めた。
        (6)補聴器・人工内耳装用児童生徒への支援と対応に努めた。
        (7)「耳鼻咽喉科の健康教育マニュアル」(平成19年度発刊)を基に、児童生徒の健康教育の実践を推進した。
        (8)耳鼻咽喉科学校医の研修会を推進した。
        (9)児童生徒の睡眠呼吸障害の調査研究を行った。
        (10)特別支援(障害者のニーズに対応した健診と特に難聴児童生徒へのきこえの支援)教育への協力に努めた。
        (11)児童生徒のアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)の対応に努めた。
        (12)耳鼻咽喉科学校医の配置状況を調査した結果を基に、未健診地区の解消に努めた。
      5. 医事問題委員会
        (1)医事問題に関し調査・研究を行い、会員への周知を期した。
        (2)第34回医事問題セミナーを平成21年6月20日・21日佐賀市で開催した。
        (3)医賠責審査会と連携をとり、医事紛争の合理的解決に努めた。
        (4)「医事紛争とその問題点」25巻を刊行した。
        (5)「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」に協力した。
      6. 平成21年度社会医療部関係全国会議を平成22年1月30日・31日東京都で開催した。
        (1)保険医療委員会ワークショップおよび全国会議
        (2)産業・環境保健委員会全国委員長会議
        (3)福祉医療・成人老年委員全国会議
        (4)福祉医療・乳幼児担当者全国会議
        (5)学校保健全国代表者会議ならびに学校保健研修会
        (6)医事問題委員会ワークショップおよび全国会議
      7. 勤務医師賠償責任保険、団体長期障害所得補償保険、所得補償保険を継続し、運営した。
  4. 会議
    1. 評議員会:第111回通常評議員会を平成22年5月19日仙台市で開催。
    2. 理事会:平成21年4月から平成22年3月まで9回開催した。
    3. 医育機関代表者・都道府県地方部会長合同会議:平成22年5月19日仙台市で開催した。
    4. 都道府県地方部会長会議:平成21年11月22日仙台市で開催した。