一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

委員会からのお知らせ

耳鼻咽喉科医療機関で補聴器を販売することに関する見解

 日本耳鼻咽喉科学会 福祉医療・成人老年委員会は、厚生労働省医政局総務課より都道府県等の医療担当部局に対して行われた事務連絡「医療機関におけるコンタクトレンズ等の医療機器やサプリメント等の食品の販売について」(平成26年8月28日)に関して、補聴器キーパーソン制度および補聴器相談医制度を運営し補聴器販売のあり方を難聴者にとって適正なものとする活動を行っている立場を踏まえて、以下の通りに見解をまとめましたのでお知らせします。

 現在、耳鼻咽喉科医師が補聴器が必要な難聴者に対して医療機関内で適合販売をすすめる場合は、診療に付随して認定補聴器技能者に出張販売を依頼しています。この時、診察、検査、適合など診療報酬に係わるところはすべて耳鼻咽喉科医師が行うか、国家資格を持つ有資格者が医師の指導の下で行っています。試聴、売買、補聴器の返品、交換、修理などは認定補聴器技能者が行っています。今後も従来通りに行うことに問題はありません。
 今回の事務連絡では、耳鼻咽喉科医師が療養の向上を目的とした場合に限って、難聴患者に直接に補聴器を販売することが(厚生労働省は「有償」で「交付」すると表現している)可能であると示されました。難聴患者が従来よりも不利益を被ることがないように、耳鼻咽喉科医師が直接に補聴器を販売する場合には、必ず患者を診察して診療に随伴する販売とすることに加えて、試聴の希望に対応すること、販売する補聴器は新品とすること、販売後の再調整、修理の要望に適切に対応することを要請します。

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
社会医療部 福祉医療・成人老年委員会

2016年3月10日掲載