委員会からのお知らせ
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会への演題応募における倫理的手続きに関する指針について
1)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会理事会において、世界的な研究倫理の潮流に従い、総会・学術講演会への演題登録に倫理審査委員会での審査を義務付けることが決定されました。2022年5月開催予定の第123回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 総会・学術講演会から試行、2023年開催予定の第124回から本格実施を予定しています。
具体的には各会員に演題登録時に「倫理手続きチェックリスト」に沿って倫理審査が適正になされているかをチェックして頂きます。
第123回総会・学術講演会演題登録時のチェックリストは準備が整い次第日耳鼻ホームページでもお知らせいたします。なお、第123回はあくまで試行であり、倫理審査を受けていなくても演題を応募・登録頂けます。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術集会で発表される医学系研究は、研究倫理に関連するすべての宣言、法律、政令、省令、指針及び通知等を遵守して行うことが求められます。そのために「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術集会への演題応募における倫理的手続きに関する指針」が作成されました。会員・非会員が日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術集会へ演題を応募する際にはこの指針を遵守する義務があります。
この指針は、会員・非会員の自由な研究活動に制限や拘束を加えるためのものではなく、あくまで研究者が研究対象者(患者や医師、健常対照者などを含む被験者)の福利を最優先に考え、法令・指針等を逸脱することなく幅広い研究活動を行うための規範であり、同時に会員・非会員を守るためのものでもあります。
指針の詳細は以下のPDFをご参照ください。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術集会への演題応募における倫理的手続きに関する指針
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術集会への応募演題のカテゴリー分類とフローチャート
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術集会への応募演題に関するQ&A
2)このような決定に至った経緯を2018年4月の臨床研究法施行以降の時系列で説明致します。
- 2018年4月
- 臨床研究法施行
日本外科学会定時社員総会にて「日本外科系学会への演題応募における倫理的手続きに関する指針」が承認(2018年度に試行、翌2019年度本格施行) - 2018年5月
- 日本医学会連合研究倫理教育研修会にて上記指針報告
- 2019年2月
- 日本医学会連合研究倫理委員会が「医共通指針」策定の意向を表明、日本耳鼻咽喉科学会ではアンケートに対して「医共通指針をそのまま、または学会としての必要な追加・修正等を行って使用する」旨を回答
- 2021年3月
- 「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(新統合指針)が告示
- 2021年4月
- 同指針に対するガイダンス公表
- 2021年9月現在
- 日本医学会連合では新統合指針をふまえて「医共通指針」の改定を検討中であるが、公表時期は未定
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会理事会にて演題登録時に従来の「医共通指針」に基づく「日耳鼻倫理手続きチェックリスト」によるチェックを求めること(今後、日本医学会連合が新統合指針に準拠する「医共通指針」を発出した場合、速やかに適用する予定)、ただし、第123回総会・学術講演会では試行とし、本格実施は第124回総会・学術講演会からとすることを決定
3)倫理審査に関するQ&A
別ファイルに詳細なQ&Aを提示しました。中でも問い合わせが多い4項目についてここで提示させていただきます。
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Q:「当院には倫理審査会がありません。学会発表はできませんか?」 |
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臨床研究の倫理審査を行う倫理審査委員会(もしくは中央倫理審査委員会)やそれに準じた諮問委員会を常設していない施設からの研究発表については、新「統合指針」では、倫理審査委員会は「他の研究機関が実施する研究に関する審査」を行うことが規定されていますので、関連の大学病院や日本医師会倫理審査委員会など外部の倫理審査制度を利用して倫理審査を受けるようにしてください。ただし多施設共同研究の場合で、取り纏め機関での一括審査が可能な体制で倫理審査委員会の承認が得られている研究の場合は、所属する施設の施設長の許可があれば、代表施設の倫理審査委員会での一括審査が可能なため、所属施設での個別審査は必ずしも必要ありません。 |
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Q:「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では臨床研究の倫理審査は行ってもらえるのでしょうか?」 |
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日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、臨床研究の倫理審査は行っておりません。 |
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Q:「続報のような発表に関しては、再度倫理審査を受ける必要性がありますか?」 |
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研究計画書に記載された内容の範囲であれば再審査の必要はありません。一方で、発表する研究内容が研究計画書に記載されていない場合には、研究計画書の修正などの必要な手続きを実施してください。 |
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Q:「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会学術講演会に応募された演題について、その適正性についての審査体制はどのようになっていますか。」 |
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日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では会員に対して「医共通指針」(案)を提示することをもって、適切な倫理的対応に基づく研究活動およびその発表を推進しています。研究倫理については、各会員に本指針を十分に理解・実践してもらった上で、「倫理手続きチェックリスト」による会員のセルフチェックによる申告を尊重する方針です。各施設の倫理審査委員会(もしくは中央倫理審査委員会)が適正と認めた研究について日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会で更に審査を行う予定はありません。 |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
総務部 倫理委員会