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数字でわかる「頭頸部がん」

甲状腺がんは30代、40代にも多い

甲状腺がんは年間約1万5000人が罹患しており、年々、増加傾向にあります(図1)。男性よりも女性が多いという特徴があります(図2)。

図1 甲状腺がんの罹患率 年次推移(男女計、全年齢) 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」2015

図2 甲状腺がん全体の男女の比率 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」2015より作成

年代別には、60代後半~70代が一番多いのですが、30代、40代など比較的若い世代にも見られます(図3)。

図3 甲状腺がんの年齢階級別 罹患率(全国推計値・男女計) 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」2015

甲状腺がんは、がんの組織の状態によって、乳頭がん、濾胞(ろほう)がん、髄様(ずいよう)がん、未分化がんなどの種類があります。この中で一番多いのが乳頭がんで、甲状腺がん全体の約90%を占めます。甲状腺がんは、種類によって症状や予後は異なりますが、乳頭がん、濾胞(ろほう)がんは予後が比較的良好です(図4)。

図4 甲状腺がんの種類と特徴
甲状腺がんの種類 甲状腺がん全体の割合 特徴
乳頭がん 約90% ゆっくりと進行し、比較的若い女性に多い。
甲状腺と周りのリンパ節を取り除く手術を行うことで、予後は良好。
濾胞(ろほう)がん 約5% 骨や肺へ転移しやすい。他の臓器に転移がなければ、甲状腺とリンパ節を取り除く手術を行うことで予後は良好。転移がある場合は、予後はあまり良くない。
髄様(ずいよう)がん 約1〜2% 乳頭がんや濾胞(ろほう)がんよりも進行が早く、肝臓、リンパ節、骨に転移しやすい。甲状腺と周りのリンパ節を取り除く手術が行われる。
未分化がん 約1〜2% 40代以降、高齢者、男性に多い、悪性度が高く進行も早い。予後も悪い。手術に加え、射線治療や薬物治療が行われる。
国立がん研究センター がん情報サービスを参考に作成