健康診断でどこまで
頭頸部がんは発見できるのでしょうか?
日本臨床腫瘍学会編:新臨床腫瘍学
改訂第5版,P400.南江堂,2018より作成
頭頸部がんは、健康診断や人間ドックの検査項目に入っていません。初期段階では自覚症状に乏しく、また異常があってもがん特有の症状に乏しいことから、見落とされやすい傾向にあります。他の科の受診で偶然発見されることが多く、初診時では半数以上が進行した状態で見つかっています。気づいた時にはかなり進行したり(図)、転移が見られるケースもあります。
早期発見が何より大切ですので、そのためにまずは下記の表でセルフチェックをしてみてください。
生活習慣や体質
- お酒を飲むとすぐ顔が赤くなる(フラッシャー)
- お酒を毎日1.5合以上飲む
(ビールなら中瓶1.5本、ワインなら1/2本) - タバコを吸う
- これまでに頭頸部がん、食道がん、胃がんになったことがある
症状(口・喉)
症状/口
- 口の中(舌など)にしこりがある
- 触ると痛い状況が1ヶ月以上続いている
- しばしば出血する
- 1か月以上治らない口内炎がある
- あごの下のしこりがある
症状/喉
- 風邪や声の出し過ぎがないにも関わらず、
1か月以上声のかすれが続いている - のどの違和感が1か月以上続いていて、
酸っぱい物や辛い物を食べるとのどにしみる - タンにしばしば血が混ざる
- 呼吸が苦しい、息がくさい
- 首にしこりがある
その他
- 頬がはれてきて、1か月以上症状が続いている
- 物が二重に見える
- においのある鼻出血を繰り返す
上記のような生活習慣や体質は、頭頸部がんのリスク要因です。また、症状のチェック項目はいずれも頭頸部がんの初期症状です。どれか1つでも当てはまる項目があったり、気になる点がある場合は、ためらわずに耳鼻咽喉科を受診してください。