一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

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耳鼻咽喉科学会から耳鼻咽喉科頭頸部外科学会へ、更なる飛躍を!

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一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
理事長 村上 信五

 令和3年5月12日の社員総会において、(一社)日本耳鼻咽喉科学会は名称を(一社)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会に改称しました。学会名改称の背景には、欧米の先進国ではOtorhinolaryngologyにHead and Neck Surgeryが付記されていること、そして、わが国においても大学などの医育機関の72%で「耳鼻咽喉科頭頸部外科」あるいは「耳鼻咽喉・頭頸部外科」が講座や診療科の名称として使用されている現状がありました。歴史を振り返ると、日本耳鼻咽喉科学会は明治26年(1893年)、ドイツ留学を終えて帰国した金杉英五郎先生が有志7名で結成した「東京耳鼻咽喉科会」に遡ります。「東京耳鼻咽喉科会」は4年後の明治30年に「大日本耳鼻咽喉科会」に改称され、昭和18年まで47年間継承されましたが、第二次世界大戦後の昭和22年(1947年)に現在の「日本耳鼻咽喉科学会」に改称されました。「日本耳鼻咽喉科学会」は当初は任意団体でしたが昭和28年(1953年)に法人化して社団法人に、平成24年(2012年)には一般社団法人になり、今回、74年振りに「(一般社団法人)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」に改称されました。米国は日本に遅れること3年、1896年に「Western Ophthalmological, Otological, Laryngological and Rhinological Association」が設立されましたが、1981年に眼科と分かれて「American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery」に改称しており、日本は40年も遅れたことになります。
 学会名の改称はHPに掲載して公表しましたが、6月23日に(株)メディカルノートを介してYahooニュースにも紹介されました。Yahooサイトには掲載当日21118件、4日後には26805件と、学会会員の2倍を超える閲覧(PV)がありました。メディカルノートは医療情報の検索サイトで、我々と協力して国民に正しい医療情報を発信することで合意し、今年の4月26日に連携協定を結んだばかりですが、この3ヵ月間に「学会名の改称」はじめ、「耳鼻咽喉科診療の認知度アンケート調査」、「新型コロナウイルス感染症による嗅覚・味覚障害の全国調査研究」などをYahooニュースのIT・科学欄に紹介しています。このように、今回の学会名改称の最大の目的は、我々の診療や研究を国民と社会にアピールすることにあります。学会の礎が築かれて約130年間、耳鼻咽喉科医は耳・鼻・咽喉頭のみならず頭頸部領域の診療と研究に携わってきました。しかし、耳鼻咽喉科医が、みみ・はな・のどの診療を行っていることは十分認識されていても、頭頸部癌はじめ、めまいや顔面神経麻痺、嚥下障害、睡眠障害を専門に診療していることの認知度は低いのではないでしょうか。昨年「耳鼻咽喉科を社会にアピールするWG」が立ち上がり、ホームページは勿論、Twitter やYouTube公式チャンネルを開設し、耳鼻咽喉科診療の幅広い専門性をアピールしています。そして、7月27日が「世界頭頸部がんの日」ということから、7月を「頭頸部外科月間」とし、これまでの「耳の日(3月3日)」と「鼻の日(8月7日)」は3月に「耳鼻咽喉科月間」として統合し、各地方でイベント開催することになりました。3月の「耳鼻咽喉科月間」には、耳・鼻・咽喉頭疾患だけでなく、めまいや顔面神経麻痺、嚥下障害、睡眠障害を取り上げ、また、7月の「頭頸部外科月間」には舌がんや口腔がん、甲状腺がんなど、まだ認知度の低い耳鼻咽喉科疾患を取り上げていただきますようお願いいたします。
 「名は体を表す」と言いますが、名実共に「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」に改称したことを契機に、耳・鼻・咽喉頭・頭頸部領域の診療における幅広い専門性を国民、社会にアピールし、耳鼻咽喉科診療の拡大を推進したいと考えています。会員の皆様には明るい耳鼻咽喉科の未来のために、より一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2021年8月17日掲載
Last update: 2022年12月7日
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