一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

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ごあいさつ

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
理事長 大森 孝一

 会員の皆様におかれましては、日頃より学会の活動へご支援いただきありがとうございます。

 本学会が果たすべき役割は大きく二つあると考えています。一つ目は専門的で質の高い医療を国民にわかりやすく説明し提供すること、二つ目は臨床に役立つ研究を推進し新しい医療を開発し実用化することです。ここでは日耳鼻のこの2年間の活動、とくに新しい活動についてお伝えします。

1.専門的で質の高い医療を国民にわかりやすく説明し提供
<難聴の啓発・広報活動>
 難聴と認知症の関連は今まさにトピックスで、聴覚補償により認知機能の低下をある程度抑制できることが分かってきました。国民にきこえの大切さを理解してもらうために難聴啓発キャンペーンを始めており、ACジャパンの支援で一昨年7月から近藤真彦さん、昨年7月からミミーズというキャラクターによる漫才で、聴力改善術、補聴器、人工内耳といった治療の可能性について発信しています。80歳でささやき声程度の30dBが聞こえるようにといった聴こえ8030運動も進めています。
 国民が難聴に気づいて受診した際に適切に説明できるように、一昨年には難聴診療のアルゴリズムを作り会員にお配りしました。昨年から実際に補聴器診療を行っている補聴器相談医リストを公開しています。今年の3月には厚労科研のご支援を受けて「軽度・中等度難聴の診療の手引き」を刊行する予定です。全国の自治体で補聴器助成制度も広がっています。
<嚥下キーパーソン制度の設立>
 耳鼻咽喉科頭頸部外科医が中心となり、地域における嚥下障害の予防・診療体制の整備および連携促進を図ることを目的として、嚥下キーパーソン制度を設置しました。まず、地方部会の福祉医療委員会等とともに会員向けの嚥下診療関連講習会・実技研修会の企画・運営を行い、地方部会会員の嚥下診療レベルの向上をはかります。次に、嚥下診療における他診療科・多職種・行政・医師会等との連携調整の促進など、対外的に耳鼻咽喉科における嚥下診療の活動の理解と連携を深めていきます。

2.新しい医療への取組み
<耳鼻咽喉科頭頸部外科 医療DX研究会>
 新しい医療への対応として、耳鼻咽喉科頭頸部外科医療DX研究会を立ち上げ、日耳鼻秋季大会の前日の11月21日(金)に第1回を開催しました。診療所でのデジタル化、へき地をつないだ遠隔医療、個別化・効率化されたモバイルヘルス、最先端のAI研究まで幅広い内容に100名を超える方にご参加いただきました。今年の秋季大会でも開催します。興味のある耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が集まり、新たな医療創出のきっかけにしたいと考えています。是非ご参加ください。
<耳鼻咽喉科頭頸部外科 高齢者医療研究会>
 高齢者の医療も重要です。高齢化に伴い、聴覚、平衡、発声、嚥下などの機能が低下します。聴覚では補聴器や人工内耳の積極的な活用が考えられます。嚥下機能低下が嚥下障害へ進み誤嚥性肺炎につながっていくと考えられ、早期発見とリハビリテーションによる改善が期待されます。今後国では医療と介護の一体化が進められる中で、学会として高齢者医療に力を入れていきます。今年の総会の最終日に開催予定です。
<臨床研究推進・実用化とオールジャパンプロジェクト>
 臨床研究の推進と新しい医療の開発・実用化に関してオールジャパンで取り組み、医学的シーズや社会的ニーズを発掘し、学会主導で研究を推進しその成果を社会に還元したいと考えています。今年は、耳鼻咽喉科頭頸部外科の専門性を活かして、医療や介護の現場における課題解決を目的とした臨床研究や、耳鼻咽喉科医療の将来戦略策定のため医療データに基づく解析を行う研究に対して、臨床研究スタートアップ資金を日本臨床耳鼻咽喉科医会と共同で助成します。また、人工聴覚器や舌下神経電気刺激器などの新しい医療機器や、中耳や気道の再生医療などの発展も期待されます。

3.若手医師のリクルート
 臨床研修医・医学生のリクルートについては、従来は日耳鼻総会でハンズオンセミナーを中心に行っていましたが、一昨年、昨年の秋季大会ではTEDプレゼンテーションや教育セミナーを開催し、今年11月の秋季大会でも開催します。さらに、昨年の7月26日(土)27日(日)に1泊2日で第1回日耳鼻サマースクールを開催しました。土曜日は最新の耳鼻咽喉科医療の講演、日曜日は耳、鼻、頸部手術などのハンズオンセミナーを行いました。耳鼻咽喉科の魅力を体感していただけたものと思います。今年は、6月27日(土)に大阪で開催します。是非ご参加を勧めてください。

4.国際化
 
日耳鼻の国際化を目指して、一昨年の大阪総会でアジアを中心とした海外から若手の演者を50名程度お呼びして国際セッションを開始しました。昨年の横浜総会では70名程度に参加いただき、懇親会も大変盛況でした。今年は、仙台の総会で国際セッションに加えて、通常の一般演題でもスライドをできれば英語にしていただく予定です。また、日本から海外への留学支援も令和5年から継続して行っています。

5.他学会との連携
 
耳鼻咽喉科だけでは進められない医療が多くありますので、他学会とのネットワーキングに力を入れています。まず新生児難聴について、新生児聴覚スクリーニングや先天性サイトメガロウイルス感染症などを話題として、日本産婦人科学会、日本小児科学会との共同シンポジウムを昨年5月の日耳鼻総会、11月の日耳鼻秋季大会で実施しました。また、HPVワクチンのジェンダーレス接種を目指した活動も3学会で一緒に行っています。日本眼科学会とは日本学術会議感覚器分科会で、感覚器に関する公開シンポジウムを今年2月に行う予定です。日本老年医学会、日本睡眠学会、日本臨床疫学会とは共同でシンポジウムやワークショップを行っています。できるだけ視野を広げて日耳鼻を活性化させたいと思います。

最後に
 耳鼻咽喉科・頭頸部外科を取り巻く環境は、かつてないほどに複雑であると同時に、大きな可能性にも満ちています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の未来は、会員の皆様お一人お一人の意思とご尽力にかかっております。今後ともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、ともに力を合わせ、学術と医療のさらなる発展を目指していきましょう。

2026年2月4日掲載

Last update: 2026年2月4日
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