一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

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Afterコロナ時代に向けての新たな取り組み

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一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
理事長 村上 信五

 令和4年5月の総会で理事長に再選されました。魅力溢れる学会創りを目指し引き続き指揮を取らせていただきます。
 新型コロナウイルスは、人々の生活様式や社会・経済活動を一変させました。そして、上気道感染を担う耳鼻咽喉科頭頸部外科診療は甚大な影響を受けました。コロナに翻弄された2年間でしたが、昨年5月には学会名を日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会に改称し、輝く耳鼻咽喉科女性賞と耳鼻咽喉科教育・育成功労賞を創設しました。また、「コロナに屈しない耳鼻咽喉科頭頸部外科」をモットーにワーキングを立ち上げ、感染対策マニュアルをはじめオンライン診療や学術講演会開催マニュアルを作成しました。落ち込んだ診療に対してはSNSを活用して耳鼻咽喉科頭頸部外科をアピールし診療拡大を図るとともに、診療体系を見直し令和4年度の診療報酬改正に繋げました。その他、耳鼻咽喉科頭頸部外科リハビリテーション医学・医療テキストを発刊するなど他科・他職種との連携を強化しました。新型コロナウイルスは、現在、第7波が到来していますがオミクロン株に置き換わり弱毒化しています。社会も学会もafterコロナ時代に向けての取り組みが急がれます。
 日本耳鼻咽喉科学会が日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会に改称されて1年が経ちました。学会名改称は耳鼻咽喉科医が耳・鼻・咽・喉だけでなく、口腔がんや甲状腺腫瘍、嚥下障害、睡眠時無呼吸症候群など、頭頸部領域も専門に診療していることを国民や社会にアピールすることが目的です。そして、耳鼻咽喉科医自身も耳・鼻・咽・喉はもとより、頭頸部疾患に興味を持って研鑽を積み、積極的に診療に携わる必要があります。昨年の流行語は大谷翔平選手の「リアル二刀流 ショータイム」でした。二刀流の元祖は剣豪宮本武蔵ですが「二刀一流」と紹介されています。日本語の「一流」と英語の「リアル」、いずれも意を得た魅力的な言葉です。我々耳鼻咽喉科医の目指す方向も「耳鼻咽喉科」と「頭頸部外科」の二刀一流ではないでしょうか。
 耳鼻咽喉科頭頸部外科の明るい未来のため、今後取り組むべき課題がいくつかあります。学会は学術団体であり、①医学研究と新規医療の開発、②医師の教育と育成、③診療を介した国民・社会への貢献が3本柱になります。医学研究と新規医療の開発には文科省や厚労省、経産省はもとより、その下部組織であるAMED(日本医療研究開発機構)やPMDA(医薬品医療機器総合機構)との連携が欠かせません。研究費獲得から臨床試験、保険収載までの戦略的ロードマップを作成したいと考えています。また、若手医師のリクルートと育成なくして耳鼻咽喉科頭頸部外科の未来はありません。専攻医研修や専門医制度のカリキュラムを見直し、多様性に富んだ医師を効率的に育成します。診療においては、耳鼻咽喉科疾患としての認知度が低いめまいや顔面神経麻痺、嗅覚・味覚障害、嚥下障害、そして、口腔がんや甲状腺腫瘍、睡眠時無呼吸症候群などの境界領域の疾患に対して専門性をアピールし、診療拡大を図る所存です。また、耳鼻咽喉科頭頸部外科領域はリハビリテーション医療の宝庫であり、今後、積極的に取り組むべき課題のひとつと考えています。
 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会には関連する15学会と日本臨床耳鼻咽喉科医会という強力なパートナーがあります。お互いの連携を強固にしてafterコロナ時代の課題に取り組みたいと思いますので、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

2022年7月14日掲載
Last update: 2023年1月24日
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