一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

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一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
理事長 村上 信五

  新年明けましておめでとうございます。本年は会員の皆様にとって明るい、希望に満ちた年になることを祈念しております。
 昨年は大変残念な出来事がありました。第16代理事長で名誉会員の久 育男先生が昨年の10月20日に逝去されました。先生は平成26年5月に日耳鼻理事長に就任し、日耳鼻の組織編成はじめ新専門医制度や専門医講習会、日耳鼻総会・学術講演会の開催形式などに着手し、精力的に数々の改革をされました。現在の日耳鼻組織や総会・学術講演会、秋季大会の大枠は久理事長の在任中に築かれたものです。先日、ご自宅を弔問いたしましたが、先生のご遺影の前には宿題報告冊子と愛用された眼鏡が置かれていました。理事長時代の先生と喉頭の研究、臨床に捧げた先生の生涯が思い起こされました。先生の長年にわたる本学会へのご尽力と貢献に心より感謝し、ご冥福をお祈り申し上げます。
 さて、2020年2月にアウトブレイクした新型コロナウイルス感染症ですが、もう3年が経過しました。その間、ウイルスは変異を繰り返し、現在は弱毒化したものの感染力の強いオミクロン株になり、昨年12月には第8波が到来しました。この3年間、耳鼻咽喉科診療は甚大な影響を受け、学術集会や講習会は現地とWebのハイブリッド開催がルーチン化しました。そして、「コロナに屈しない耳鼻咽喉科頭頸部外科」をモットーに、感染対策は勿論、学会名を改称し、SNSを活用して耳鼻咽喉科頭頸部外科をアピールするとともに、診療体系を見直して令和4年度の診療報酬改正に繋げました。また、リハビリテーションを推進するために「耳鼻咽喉科頭頸部外科領域のリハビリテーション医学・医療テキスト」を発刊し、他科・他職種との連携を強化しました。
 新型コロナ感染症は第8波の収束を見込んで、2類から5類へ変更することが検討されています。弱毒化と国産初の経口抗ウイルス薬の開発が後押しになっていますが、われわれもafterコロナ時代への対応が急がれます。耳鼻咽喉科頭頸部外科の明るい未来のため、取り組むべき課題の3本柱を、①専攻医・専門医の教育と育成、②診療拡大と診療改革、③新規医療の開発と実用化としました。そして、これらの課題を遂行するために以下の15ワーキンググループを立ち上げました。①日耳鼻学術講演会・秋季大会のあり方に関するWG、②専攻医教育WG、③専門医育成・活用WG、④働き方改革に関するWG、⑤専門医認定試験改善WG、⑥海外留学推進・支援WG、⑦近未来の耳鼻咽喉科医療の在り方WG、⑧耳鼻咽喉科頭頸部外科リハビリテーションWG、⑨耳鼻咽喉科医療DXWG、⑩新規医療の開発と実用化推進WG、⑪ヘッドホン・イヤホン難聴対策WG、⑫補聴器適正普及WG、⑬言語聴覚士雇用促進WG、⑭HPV 関連がんとHPVワクチンに関するWG、⑮2025年デフリンピック支援WG。
 一昨年の学会名改称は、耳・鼻・咽・喉だけでなく、頭頸部疾患における耳鼻咽喉科頭頸部外科医の専門性を国民、社会にアピールすることが目的でした。同時にわれわれ自身も口腔がんや甲状腺腫瘍、嚥下障害、睡眠時無呼吸症候群などに興味を持って研鑽を積み、積極的に診療に携わる必要があります。そして、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会には関連する15学会と日本臨床耳鼻咽喉科医会という強力なパートナーがあります。お互いの連携を強固にしてafterコロナ時代を見据えた諸々の課題に取り組みますので、会員の皆様にもご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2023年1月5日掲載
Last update: 2023年1月5日
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