一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

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重要なお知らせ

テプロツムマブによる聴覚障害に対する連携体制の構築について

 活動性甲状腺眼症に対する薬剤としてテプロツムマブ(Teprotumumab: TEP、テッペーザ®)が2024年11月20日に薬価収載されました。本薬剤には感音難聴および耳管開放症といった聴覚関連の有害事象が10%程度に生じ、一部の症例では重篤かつ不可逆であったことが報告されています。そこで添付文書において、治療前・治療中において聴力検査定期的に行い、自覚症状が生じた際は医療機関を受診することが明記されています。
 以上より、内科や眼科といった活動性甲状腺眼症の治療に当たる診療科から耳鼻咽喉科に対して、聴力検査をはじめとした聴覚管理の依頼が行われることが見込まれます。聴覚関連の有害事象を認めた際は処方医への情報提供を行っていただきますようお願いいたします。なお、治療継続の可否に関しては処方医により判断されるものと考えられます。
 感音難聴が発症した場合の治療につきましては、コルチコステロイドの投与が行われているとの情報を得ております。効果がある用量や期間はわかっていません。現時点では各医療機関における突発性難聴に対する治療プロトコルを準用いただくのが適切ではないかと考えられます。海外における症例報告や少数の経験例しかなく、治療効果は50%程度のようです。
 会員の皆様におかれましては適切な連携体制の構築にご協力いただきますようよろしくお願いいたします。

 

令和7年1月

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
理事長 大森 孝一

Last update: 2025年1月20日
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