学校保健委員会では、日々変化する学校保健情勢を鑑み、疾患(所見)名および判定基準の見直しや疾患の概念について再検討し、「耳鼻咽喉科健康診断マニュアル2025年改訂版」を作成しました。
本マニュアルで推奨する健診項目・健診方法・疾患(所見)名および判定基準等の見直しについては全国各地域で医師会や自治体(教育委員会)と協議していると認識しておりますが、留意事項について補足します。
1. 各自治体(教育委員会)への対応
各地域の医師会・教育委員会と協議するにあたり、一部の地域では文部科学省から正式な通達がなければ健診項目や健診方法、判定基準などを変更することができない状況です。この点に関して日本医師会を通じて文部科学省に問い合わせたところ、以下の回答を得ました。
① 文部科学省が監修した「児童生徒等の健康診断マニュアル平成27年度改訂」を遵守しなければならないという通知は出していない。その内容について義務化したこともない。
② 現状では健診方法など独自にアレンジしている地域が多く、今後も地域医師会・教育委員会を交えて協議してほしい。
③ 今後改めて文部科学省から意見を述べる、あるいは通知することはないので、不明な点は直接文部科学省に問い合わせていただきたい。
上記内容を踏まえ、各地域医師会・教育委員会と協議したうえで柔軟に対応してください。
2. 通知「耳垢等で鼓膜の観察ができない」への対応
本マニュアルでは疾患(所見)名に「耳垢等により鼓膜の観察ができない」の項目を追加し、この項目は「耳疾患」に含めないこと、そして耳疾患の有無については専門医療機関での事後措置に委ねることを推奨しています。
- 「耳垢等で鼓膜の観察ができない」は「耳垢栓塞」でないことを前提として通知するため、受診先のクリニックで耳垢栓塞除去を算定すると矛盾が生じることが懸念されます。しかし学校健診はスクリーニングであるため、「鼓膜の観察ができない」の中には「耳垢栓塞」も少なからず含まれている可能性があります。そのため受診先の医師の判断で軽微な耳垢の除去程度で鼓膜の観察をした場合は従来通り基本診察料に含まれる処置として扱いますが、医師の判断で「耳垢栓塞」と診断することが妥当と判断した場合は耳垢栓塞除去で算定、保険請求してください。
- 耳垢栓塞除去と保険請求する際は、保護者への説明に十分留意してください。
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
学校保健委員会
Last update: 2026年7月23日
