日本耳鼻咽喉科頸部外科学会男女共同参画委員会は2014年に発足し、約10年が経過しました。当初は女性医師支援からはじまった活動でしたが、次第に性別に関係なくキャリア支援や持続可能な働き方を考える会へと変化してきました。一方で、2024年春から実施された医師の働き方改革を見据えたワーキンググループと共に働き方について考える活動をして参りました。このような経緯から、2024年度より「ダイバーシティ・働き方改革委員会」と改称し、新たなスタートをきりました。
この10年間で、何がかわったでしょうか。各関連学会でも同様の委員会が設置され、ポジティブアクション推進、クオーター制導入、ダイバーシティ委員会企画のセッションや講習会開催など、さまざまな試みがなされるようになりました。昨年度の調査では、関連学会の女性役員比率は4.1%から7.3%と過去最高となりました。しかし、当学会会員の20%が女性であることを考えるとまだ道半ばと言わざるをえません。制度のみの問題ではなく、これを実際に活用する医師、そして活用する医師を理解・支援する上司・同僚の意識改革が必要です。持続可能な働き方のためには何が必要か、何が足りないか、考える必要がありますが、おそらく多様性を尊重する上では答えはひとつではないと考えられます。さまざまな背景をもつ先生方が働きやすいようにする必要がある、という考えはある程度浸透してきたものの実現するための手段は何か、その答えにはたどり着いてはおりません。
本委員会の目的は、すべての耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が充実した仕事ができ、それぞれの立場でその力を十分発揮できる環境を整えていくことにあります。委員一同、意識改革に働きかけるような企画を提案し、長期的に会員のみなさまの活動をより幅広く支援できるように努めたいと思います。今後益々のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
担当理事:松浦一登
委員長:森田由香
委員:小川武則、藤田 岳、丸山裕美子、高橋剛史