一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

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耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う代表的な病気

嚥下

 人が物を食べるときには、まず口の中でかみ砕いてすりつぶし飲み込みやすい形にする咀嚼(そしゃく)をします。次に物を飲み込む動作である嚥下(えんげ)をします。嚥下にはプロセスがあり、第一段階で、舌などの動きで食物を口の奥へと送りこみ、第二段階で、のどに入ってきた食物をのみこみます。第二段階で、いったんのみこみが始まると自分で止めることはできません。第一段階を嚥下の口腔期(こうくうき)、第二段階を嚥下の咽頭期(いんとうき)といいます。第三段階は食道に食物が入ってからで、嚥下の食道期(しょくどうき)とよびます。

 物をうまくのみこめない状態を嚥下障害(えんげしょうがい)といいますが、口腔期、咽頭期、食道期のいずれの異常でも起こります。とくに咽頭期の異常では、食物が気管の中に入って誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を起こすことがあり注意が必要です。嚥下には、口、咽頭、喉頭が関係しますので、嚥下障害の診断や治療が必要な場合には耳鼻咽喉科を受診してください。

口腔期

咀嚼(そしゃく) によって飲み込みやすい形に整えられた食物のかたまり(食塊:しょくかい)は舌やほほによって後方へと運ばれ咽頭へ送りこまれます。そののち自動的に嚥下の咽頭期(いんとうき)が起こり、食塊は食道へ入っていきます。

Last update: 2022年12月8日
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