睡眠時無呼吸
4歳のしゅうたくんはいつもポカンと口を開けていて、ママから口を閉じなさいと叱られています。夜はパパと同じくらい大きないびきをかいて寝苦しそうにしていて、胸の真ん中がへこんだり、ときどき呼吸が止まることがあります。夜中に目を覚ますことが多く、幼稚園でもぼーっとしているといわれます。耳鼻咽喉科で相談したところ、睡眠時無呼吸症候群ではないかといわれました。
- Q1.なぜいびきをかくのですか?
- こどもが大きないびきをかくことは通常ありません。こどもが大きないびきをかく原因として、アデノイド肥大、扁桃肥大、鼻づまり、などが挙げられます。肥満も関係していることがあります。鼻のつきあたりにある アデノイドや扁桃が大きいと空気の通り道が狭くなり、空気が無理やり通ることでいびきや無呼吸が起こります。
- Q2.診断はどのようにするのですか?
- 鼻から内視鏡で鼻の奥を観察したり、単純X線写真でアデノイドの大きさを診断します。夜間にいびきをかいているだけではなく、酸素飽和度(血液中に酸素がどのくらい含まれているか、通常98-100%)が低下していないか、睡眠時無呼吸がおきていないか、一晩中モニターを装着して検査を行います。診察の時には、眠っているときの動画(胸とあごの動きが見えるもの)があると参考になります。
- Q3.どのような治療をするのでしょうか?
- 鼻がつまっているのであれば、アレルギー性鼻炎の治療を行うことで鼻炎だけではなくアデノイドも小さくなってくることがあります。いびきが軽いのであれば、飲み薬による保存的治療と頻回に鼻汁を吸引してあげることで症状も改善してくることがあります。ただし、睡眠時無呼吸もみられるようであれば、アデノイド切除や扁桃摘出術を行います。通常全身麻酔下に手術を行い、約1週間の入院が必要になります。術後はしばらくのどの痛みがありますが、いびきや無呼吸などの症状は著明に改善します。冬の時期は鼻かぜをひきやすく、症状も強くでますが、春ごろから徐々に軽くなってくることもあり、肥満や顎が生まれつき小さいなど、いろいろな原因も絡んできますので、手術が必要かどうかは耳鼻咽喉科に相談しましょう。
Last update: 2022年12月1日