乳幼児健診で難聴
かずくんは1歳6か月健診を受けたとき、難聴の疑いがあると指摘されました。聞こえていないとは思えなかったので驚きました。
- Q1.きこえているようにみえるのですが、検査は必要ですか?
- ご家庭で「あれ?きこえないのかな?」と気付いていた場合と、全く気付いていなかった場合とがあると思います。きこえる人の経験で例えると、電話の相手の声が小さくて聞き取れないとき「もう少し大きく話してもらえますか?」と頼みます。つまり、一口に「きこえない」といっても、音がきこえない人もいれば、「音はきこえていても、ことばがきこえない」状態もあるのです。乳幼児期、子どもは教えられなくてもことばを「きいて」習得します。つまり、人間のことばの発達にとって一生のうちで最も重要な時期なのです。しかし少しでもきこえにくさがあると、ことばが十分に発達できません。それをなんとしても避けたいため、健診が存在しているわけです。実際には子どもをぱっと見ただけでは正確な聴力は誰にもわかりません。つまり難聴の有無を診断することは重要なのに、乳幼児の聴力検査は大人と同じようにはできませんので診断が簡単ではないのです。だから専門家を受診して検討してもらいましょう。
- Q2.どんな検査をするのでしょうか?
- 小児難聴外来がある耳鼻咽喉科を受診すると、脳波を使ったABR、ASSRという検査や音への反応を見ながら行う聴力検査など専門的な診断をします。
難聴の種類や程度によって対応方法も大きく異なります。親御さんや保育士に正しい助言をすることができるのは、小児難聴を専門とする耳鼻咽喉科医や言語聴覚士です。
◇きこえにくい(難聴の)親御さんへ;みなさんが子どもだった頃と比べて、診断するための機器はかなり進歩しています。安心して小児難聴外来で診てもらうといいでしょう。もし親御さんが手話を使う人であれば、お子さんとも自信をもって手話での会話を続けて下さい。
◇ろうの親御さんへ;家庭内で手話を使っていると思います。豊かな手話をたくさんお子さんに見せて会話を楽しんで下さい。それとは別に、お子さんのきこえの程度を診断してもらい、もし難聴があれば音声言語の使用につながる補聴器装用の機会を得ることは大切です。小児難聴専門の耳鼻咽喉科医を受診することをお勧めします。
Last update: 2022年11月30日