言葉の遅れ
ゆうたくんは今年幼稚園に入ったばかりの3歳です。以前からお姉ちゃんと比べると言葉が遅いとは思っていましたが、幼稚園のほかのお友達と比べても際立って遅れているようです。新生児聴覚スクリーニングもパスしているし、言葉の発達には個人差もあるし、と思って様子を見ていましたが、幼稚園の先生から、「先生の話を聞いていなかったり、聞き返しも多く、注意を維持するのが少し難しいようですね」と言われ、心配になってきました。
- Q1.ことばの遅れが疑われる場合耳鼻咽喉科を受診したほうが良いのでしょうか?
- ぜひ耳鼻咽喉科を受診してください。ことばの遅れがきっかけで、難聴がみつかることがあります。幼児期に難聴が見つかるお子さんは、難聴を疑ってというより、むしろことばに問題があることを心配して耳鼻咽喉科を受診した結果、難聴の診断を受けることも多いものです。まったく聞こえないわけではないけれども小さい音は聞き取れない、中等度難聴のお子さんであれば特にその傾向があります。新生児聴覚スクリーニングがなかった頃にはそういったお子さんが多くみられましたが、新生児聴覚スクリーニングで早期診断が可能となった現在でも、言葉の遅れから難聴が発見されることはあります。
また、発達の遅れと難聴を合併している場合もあります。小児科で発達の遅れをすでにフォローアップしてもらっている場合でも、今まで耳鼻咽喉科にかかったことがないお子さんは、一度耳鼻咽喉科で聴力の評価をしておいたほうがいいと思われます。
- Q2.新生児聴覚スクリーニングでパス(反応あり)といわれても難聴になることがあるのでしょうか?
- 新生児聴覚スクリーニングではパスといわれたお子さんの中でも、ある一定の割合で新生児期以降に難聴を生じることが分かっています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の平成21年度の全国調査では、両側難聴と診断されたお子さんの3%が新生児聴覚スクリーニングでパスしていたという報告をしています。遅発性難聴や、軽度難聴、特殊な難聴では新生児聴覚スクリーニングでパスとなる可能性があります。日頃の生活で、言葉が遅い、聞き返しが多い、などの難聴を疑わせる症状があった場合は、耳鼻咽喉科受診をお勧めします。
Last update: 2022年11月30日