補聴器・人工内耳と学校生活
あおいさんは、生まれつき聞こえが不自由で、小さいときから補聴器を使っています。今までは家から少し離れたところにある難聴学級に通っていましたが、家族や先生たちと相談して、来学年からは近くの通常の学級に通学することにしました。近所の友達と一緒に通えるようになりますが、クラスのお友達の中にうまくとけこめるか、先生の授業がよくわかるか、少し不安な気持ちもあります。
- Q1.補聴器をつければ、ふつうに聞こえるのですか?
- 補聴器をつけていても、聞きたいことばが、雑音の中に埋まってしまったり、大きな音がわれたり、ことばがひずんで聞こえたりすることがあり、聴力に問題のない子と同じように聞こえるわけではありません。
- Q2.補聴器を使っている友達と話すときには、どんな注意が必要でしょうか?
- (1)なるべく静かなところで(2)1対1で(3)口元がよく見えるように(4)はっきり、少しゆっくりと、普通より少し大きめの声で(5)表情を豊かにして(6)簡潔に 話してあげると聞きとりやすくなります。またそのような配慮をするため、周囲への理解を促すことも重要です。特に高度・重度難聴のお友達の場合は、口元の情報を必要とするため、できるだけ前の席で授業が聞けるようにすることも大切です。
- Q3.はるかさんは、放課後のそうじのときに、机やいすを動かす音が耳にひびいて痛くなると言っています。どうしたらよいのでしょう?
- 補聴器を使っている人は、周囲の大きい音が必要以上に大きく聞こえてしまう傾向があります。机やいすの移動時のガタガタ音や、運動会のピストルの音には気をつけてあげましょう。机やいすの脚にテニスボールをつけると音が減ります。
- Q4.朝礼や式典などのアナウンスは聞こえるのでしょうか?
- 基本的にスピーカーの音は補聴器装用者には聞き取りが難しいことが多いとされています。後述の補聴援助システムを使用したり、聞き取れない分を周囲のお友達が教えるようにする対策が役立ちます。
- Q5.先生の声が直接補聴器に入るようなものはありますか?
- 先生の声をマイクでひろって、それを電波で補聴器に入れるというFM補聴器というものがあります。これを使うと遠くにいる先生の声もよく聞きとることができる場合があります。これまでのFM補聴器に代わり、現在はデジタルワイヤレス補聴援助システムの活用が普及してきており、電波干渉による雑音のないクリアな音声の送受信ができるようになってきています。個人での購入もありますが、教育委員会が購入し、学内活動時に使用するというケースもあります。
Last update: 2022年11月30日