滲出性中耳炎
3歳のもも子ちゃんは呼びかけられても返事をしないことが多く、耳鼻咽喉科を受診したところ、両耳に滲出性中耳炎があるといわれました。鼓膜に穴を開けて穴にチューブをはめ込む鼓膜チューブ留置手術を勧められました。手術するのが心配です。
- Q1.そもそも滲出性中耳炎って何ですか?
- 滲出性中耳炎とは鼓膜の奥の中耳に滲出液が貯まった状態をさします。滲出液に感染が起きなければ、通常は痛みを伴いません。アデノイドや扁桃の増殖により、耳管と呼ばれる空気交換の管が潰されて発生することが多く、「いつの間にかなっていた」というのがほとんどです。軽度ですが難聴になることが問題です。特に就学前のお子さんでは、まだ十分には字を読むことができませんから、聴力を確保できるかどうかは言語発達に影響します。難聴が実際にある、ことばが遅れているという状態があると、手術をしてチューブをはめ込んででも聴力を改善させることが検討されます。
- Q2.開けた穴はどうなるのでしょうか?
- 多くの場合、チューブを抜けば鼓膜に作った穴は自然に閉じます。時に鼓膜の穴が閉じないで、鼓膜の穴を閉じるための手術が別に必要になることがあります。
- Q3.チューブはいつまで入れておくのでしょうか?
- 2年以内に勝手に抜けてくることが大半ですが、時にチューブがずっと残ることがあります。耳だれを繰り返すという理由で、早めにチューブを抜くこともあります。2年以上にわたってチューブが残ってしまったら、年長さんか小学1年生になってから風邪を引きにくく、プールの授業が始まる前の時期にチューブを抜いてみることもあります。
- Q4.チューブを入れている間はプールに入れないのでしょうか?
- 泳ぎが上手ではない小さなお子さんは、あまり深く潜らなければ(おおむね60cm未満)通常チューブを介してプールの水が中耳に入り込むことはありません。ご心配なら、水泳専用のシリコーン製の耳栓が市販されているので、それを利用されても良いと思います。なお、海の水は様々な菌で汚染されています。海水浴はあまりお勧めできません。
Last update: 2022年11月30日