鼻出血
小学2年生のはるき君はよく鼻血を出していました。鼻血が出ると首の後ろをとんとんとたたいたり、鼻の付け根をつまんだりしていましたが、うまく止まりませんでした。保健室の先生に相談したら、「それはおまじないよ」と笑われてしまいました。実は正しい鼻血の止め方があるそうです。教えてもらってからは鼻血を出す回数は少なくなり、出ても短時間で止まるようになりました。
- Q1.鼻血はどこから出るのでしょうか?
- 鼻血は主に、左右の鼻をわけているしきり(鼻中隔)の粘膜から出ます。とくに、鼻の入り口から約1cm入ったところは、血管が網の目状になり表面に浮き出ているので、くり返し出血しやすい場所です。鼻出血は幼児期から小学校低学年にかけてよくみられます。
- Q2.鼻出血の原因になる病気は何ですか?
- 鼻血は、鼻をかんだ時におきやすいのですが突然出ることもあります。上気道炎による鼻炎やアレルギ-性鼻炎、鼻の中に傷がある子どもは、鼻がかゆくていじるために鼻血が出やすくなります。副鼻腔炎による粘膜の炎症や、鼻中隔弯曲症なども鼻出血の原因になります。
何回も繰り返したり、出血量が多かったりすると心配でしょうが、ほとんどの鼻出血は悪い病気ではありませんので、まず落ちつくことが大切です。まれですが、万が一激しい鼻出血をくり返す時や、歯茎からも出血したり少しのことで皮膚に青あざができるような場合は、鼻の腫瘍や血液の病気も疑われますので、詳しい検査が必要です。
- Q3.鼻出血はどのように止めたらよいのですか?
- どこからの出血でも、血を止めるための原則は、出血している場所を押さえて止める圧迫止血法です。鼻出血は、ほとんどは入り口に近いところからの出血なので、小鼻を中心に鼻全体を親指と人差し指で約10分間しっかり押さえてください。座った姿勢にし、のどにまわった血は飲みこまないで、外に出すようにします。顔を上向きにすると、血がのどに流れてせきこんだり、飲みこんで気持ちが悪くなり吐いてしまうこともあるので、顔はやや下向きにしましょう。横になった場合でも、あお向けにはならないようにしましょう。
- Q4.このような処置をしてもなかなか止まらない場合、どのタイミングで耳鼻咽喉科に受診したらいいですか?
- 30分くらい鼻を押さえても止まらない、ふらふらする顔色が悪い、出血の勢いが強い、顔面の外傷を伴った鼻出血などの場合は早めに耳鼻咽喉科か救急病院を受診してください。
Last update: 2022年12月1日