のどの異物
焼き魚が大好きなそうた君(6歳)は、夕食でサンマを食べていましたが、飲み込んだ瞬間強い痛みがありました。その後はツバを飲み込むだけでも痛みがあります。どうやらのどにサンマの骨が引っかかったようです。お母さんは「ご飯を丸のみすれば抜けるわよ。」と言っています。
- Q1.魚の骨が刺さったときはどうしたらよいですか?
- 魚の骨は口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)や舌の奥の部分に刺さることが多く、飲み込む時に場所がはっきりした痛みを感じるのが特徴です。子どもの口の中を覗いて骨が確認できればピンセットなどで取れることもありますが、口の中を傷つける危険があるため絶対に無理をしてはいけません。
- Q2.魚の骨が刺さったらご飯の丸呑みが有効ですか?
- 昔からの言い伝えで「食事中に魚の骨が刺さったらご飯を丸呑みするのがよい」と言われていますが、かえって骨が深く刺さってしまうことがあるためお勧めできません。深く刺さると耳鼻咽喉科医でも簡単には取れなくなります。また刺し口から感染を引き起こすこともあります。
- Q3.その他にのどの異物にはどのようなものがありますか。
- 最も多いものは魚の骨で、よく噛まずに慌てて飲み込んでしまうとのどに刺さってしまいます。また乳幼児は噛む力が弱く噛む回数も少ないことから刺さりやすくなります。
食べ物以外では、幼少児は硬貨・ボタン電池・小さなおもちゃなどを誤って飲み込んでしまうことがあります。食道の入り口や食道内にひっかかるか、胃の中に落ちることもあります。異物の種類によっては緊急を要することがあります。
- Q4.異物を飲み込んでしまったら、どうすればよいですか?
- 魚の骨に限らず、まずは慌てず無理に飲み込んだりしない、させないようにしてください。飲み込んだものによって対応は異なりますが、取り除くことが無理だと思ったら迷わず耳鼻咽喉科を受診してください。幼少児の場合は痛がっているか、咳や呼吸苦はないか、床に何か散らばっていないか、おもちゃの電池が抜けていないかなど、飲み込んだときの状況が大切ですので、担当の先生に詳しく説明してください。特にボタン電池を飲み込んだ疑いがあるときは短時間で食道や胃の粘膜に穴が開く恐れがあるため、緊急の対応が必要です。
Last update: 2022年12月1日