鼻中隔弯曲症〈びちゅうかくわんきょくしょう〉
ゆうと君(中学1年生)は、このごろ鼻づまりが強く、時々鼻血が出るようになりました。耳鼻咽喉科でみてもらったところ、鼻を左右にわけている真ん中のしきり(鼻中隔)が曲がっている病気(鼻中隔弯曲症)と言われました。軽いアレルギ-性鼻炎もあるため、その治療を受けながら様子を見て、治らないようだったら鼻中隔矯正術という手術を、17~18歳以降に受けるようすすめられました。
- Q1.鼻中隔弯曲症〈びちゅうかくわんきょくしょう〉とはどんな病気ですか?
- 鼻中隔が強く曲がっているために、いつも鼻がつまったり、鼻出血が多くなったり、口呼吸やいびきなどの症状がある場合を鼻中隔弯曲症といいます。アレルギ-性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があると、その症状はひどくなります。
- Q2.鼻中隔はなぜ曲がるのですか?
- 鼻中隔は軟骨〈なんこつ〉の板と、骨の板とでできています。顔の発育とともに鼻も発育しますが、骨の板より軟骨の板のほうが発育が盛んなので、その違いのために弯曲がおこります。この発育は思春期までが盛んです。軽い鼻中隔弯曲は赤ちゃんにも見られ、年齢とともにその率が上がります。児童では70%、成人では90%と言われるように、ほとんどの人がある程度曲がっています。したがって、鼻中隔が少し曲がっているだけで、鼻の症状がほとんどない場合は病気とはいえません。
- Q3.手術は17~18歳以降にと言われましたが、もっと早く手術を受けられないのですか?
- 鼻中隔は思春期までは盛んに発育します。思春期以前に手術を受けると、この発育が不十分となって鼻の変形をおこす心配があるため17~18歳以降におすすめしています。
- Q4.どのような症状だと手術が必要ですか?
- 鼻中隔の曲がりが強く、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による治療でも改善せず、鼻閉により日常生活に支障をきたしている場合は内服や点鼻薬は効果が期待できません。その場合は手術をおすすめします。手術は鼻内から曲がった軟骨や骨を除去する手術です。
Last update: 2022年12月1日