音響外傷
中学2年生のあかりさんは、いつも通学の時に電車の中で音楽を聴いています。昨夜は友達とライブに行きました。右前に大きなスピーカーがあり、かなりのボリュームでした。会場にいるときは気づかなかったのですが、家に帰ると右耳のつまった感じがありました。翌朝右耳にキーンという耳鳴りがして、聞こえもやや悪いように感じました。
- Q1.イヤホンやヘッドホンで音楽を聴いて耳は悪くならないですか?
- 将来難聴にならないように、イヤホンやヘッドホンでの音楽鑑賞は1日1時間以内にとどめるようにとWHO(世界保健機構)から警告が出ています。毎日大きな音で何時間も音楽を聴いていても、すぐに難聴になるわけではありません。10年後、20年後に影響が出てくるといわれています。聞こえが悪くなっても治療方法はありませんので、予防が重要です。
- Q2.イヤホンやヘッドホンで音楽を聴くときの注意はありますか?
- ポータブルオーディオプレイヤーで音楽を聴くときは、音量を下げて使用すること、長時間使用しないことが重要です。電車の中などのうるさいところでは通常より音量を上げてしまうので、耳への影響は大きくなります。ノイズキャンセリング機能の付いたイヤホンにより、音量を下げて聞くことが可能となります。耳鳴りを自覚したら、耳に何らかの悪影響が及んでいると考え、いったん中止することをお勧めします。
- Q3.急性音響外傷とはどんな病気ですか?
- 強大な音にさらされることによっておこる難聴で、内耳の障害によるものです。ライブなどで大きな音を聞いた直後から、耳のふさがったような感じや、難聴、耳鳴りがするといった症状が出ます。短時間で治ることもありますが、翌朝になっても消えないこともあります。
- Q4.急性音響外傷は治りますか?
- 難聴の程度が軽く、早く治療を開始した場合は治ることもありますので、難聴や耳鳴りを自覚した場合はできるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することが必要です。一時的に治っても、同じことをくり返していると治りにくくなることがあります。
Last update: 2022年11月30日