アレルギー性鼻炎
はるお君は幼いころにあった喘息〈ぜんそく〉発作はなくなりましたが、小学校高学年になり、一年中くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状が出るようになりました。特に、春先は症状がひどく、目のかゆみも出ます。
- Q1.アレルギ-性鼻炎とはどんな病気ですか?
- 人の鼻は特定の物質を異物と判断すると、その異物を排除し、さらなる侵入を防ぐためくしゃみと鼻水が出て、鼻づまりがおこります。この反応が強く出るのがアレルギ-性鼻炎です。
鼻がつまると口で呼吸するため、のどの渇きや痛みなどの症状が出ますし、不眠、授業中の居眠り、イライラ感、全身倦怠感や集中力の低下など、学業への影響が出ることもあります。
- Q2.アレルギ-性鼻炎の診断や検査はどのようにするのですか?
- まず鼻の中を観察し、鼻水の中の細胞を調べたり、アレルギ-の原因となっている物質(アレルゲン)と、その程度を調べるための血液検査も行い、総合的に診断します。
- Q3.アレルギ-性鼻炎は治るのでしょうか?
- この病気は体質との関連が強く、完治は難しいですが、治療や日常生活上の注意で症状を軽くすることはできます。
- Q4.どのような治療が行われるのですか?
- 耳鼻咽喉科の医院では鼻の中を吸引し、薬を噴霧する鼻処置や薬の吸入治療(ネブライザー)を行います。症状を抑えるための薬物療法としては抗ヒスタミン薬などの内服薬、ステロイドの鼻噴霧用薬などが使われます。その他に、アレルギー性鼻炎を治す、あるいは長期に改善させることが期待できる治療として、アレルゲン免疫療法があります。アレルゲンを定期的に体内に入れることで免疫反応を変えてゆきます。皮下免疫療法と舌下免疫療法があり、ダニまたはスギによる鼻炎が対象です。耳鼻咽喉科医とよく相談して、自分にあった治療法を見つけてもらってください。
- Q5.薬以外の治療法はないのですか?
- 鼻の粘膜をレ-ザ-や薬で焼灼〈しょうしゃく〉したり、鼻づまりが強い場合には、鼻中隔〈びちゅうかく〉という左右の鼻のしきりをまっすぐにし、腫れている鼻の粘膜を切除する手術も行われます。
- Q6.自分でできる予防法はありますか?
- アレルギーの原因となる物質との接触を避けることが一番の予防法になります。 ハウスダストやダニが原因であれば、室内の掃除を頻回に行い、ダニが発生しやすいカ-ペットや敷物の使用は避けましょう。花粉症の場合は、晴れた日や風の強い日の外出をなるべく控え、外出時にはマスク、めがねを着用し、花粉症シーズンは窓も閉めておきましょう。花粉が飛びはじめる少し前から、予防的に薬を使いはじめると症状が軽くてすみます。日ごろから規則正しい生活をして体調を整えておくことも大切です。
Last update: 2022年11月30日