一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

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子どものみみ・はな・のどの病気

反復性中耳炎

1歳6か月のたつやくんは、保育園に通い始めてから中耳炎を起こすようになりました。そのつど、近くの耳鼻咽喉科で抗菌薬を処方され一時的によくなるのですが、しばらくするとまた同じように中耳炎になってしまいます。このまま薬を続けていて問題はないのでしょうか?

Q1.反復性中耳炎とはなんですか?
過去6か月のうちに3回以上もしくは1年に4回以上急性中耳炎になることを反復性中耳炎といいます。特に2歳未満の小さい時期は免疫機能が十分整っていないため中耳炎を繰り返しやすくなります。
Q2.どのような子がなりやすいでしょうか?
中耳炎の危険因子とされている2歳未満、抗菌薬のきかない耐性菌が原因となっている、保育園など集団保育を受けている、兄弟がいる、母乳哺乳をしなかった、家族内に喫煙者がいる、おしゃぶりの使用、などは要因といわれています。
Q3.抗菌薬をずっと飲んで大丈夫なのでしょうか。
中耳に膿がたまって痛みや熱が出ている状況では、抗菌薬を使用します。中途半端な使用は耐性菌を作ってしまうので、抗菌薬の効果を確認しながら、ある程度の日数(5~10日)しっかりと使う必要があります。鼓膜を切開し膿を出すことも必要に応じて行います。耳だれや鼻から感染の原因となっている細菌を調べ、抗菌薬が効くかどうかを確認しておくことも重要です。
Q4.予防方法はないのでしょうか。
漢方薬の中に中耳炎を予防する効果があるものがあります。また急性中耳炎後に滲出液が残り再発の原因となっているような場合では、鼓膜換気チューブを挿入することも再発の予防につながります。肺炎球菌のワクチンも急性中耳炎予防に一定の効果があります。副鼻腔炎など鼻症状が持続する場合は、そちらの治療も効果が期待できます。その他、免疫系に異常所見がある場合は免疫グロブリン(抗体)の補充療法が功を奏する場合があります。
Last update: 2022年11月30日
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