学校健診で難聴
7歳のゆいちゃんは学校の健康診断で難聴の疑い、というお知らせをもらいました。今まで聞こえていないとは思ってもみませんでした。どうしたらよいのでしょうか。
- Q1.学校の健康診断ではどのような聞こえの検査をしているのでしょうか?
- 大勢の児童・生徒の中から聞こえの悪い人(難聴者)を見つけ出す時、全員に精密な聞こえの検査(聴力検査)を行うことは困難です。そこで選別聴力検査という、難聴の疑いがある児童・生徒を見つけ出す方法が行われます。具体的には学校の静かな部屋で2つの高さの検査音について調べます。そして特定の強さの検査音が聞こえない場合、「難聴の疑い」があると判定され、家庭に知らせることになります。ですから通知があっても、家庭ではあわてずに耳鼻咽喉科専門医療機関を受診し、本当に難聴があるのか調べてもらってください。そして、難聴であればどのような種類なのか診断をしてもらい、必要と判断された時は治療を受けるようにしてください。
- Q2.音はどうやって聞こえているのでしょう?
- 外耳(耳介や外耳道)は空気の振動として伝わってくる音を集めます。外耳道の奥には、鼓膜とその内側の部屋(音を伝えるための3つの骨―耳小骨―がある部屋)でできている中耳があります。中耳で音は大きな振動に変えられます。この振動が内耳(蝸牛)に伝わり電気信号に変化します。そして電気信号が聴神経(蝸牛神経)を通って脳に伝えられ、音や言葉として理解されます。
- Q3.難聴の種類にはどんなものがありますか?
- 大きく分けて2つの難聴のタイプがあります。外耳・中耳に原因がある伝音難聴と、内耳から脳までの間に原因がある感音難聴です。詳しい内容は他の項目をご覧ください。
- Q4.治る難聴と治らない難聴があるのですか?
- 伝音難聴の場合は、治療によって聞こえが回復することもあります。感音難聴のうちで急に悪くなったものは治せる場合もありますが、先天性難聴(生まれた時からの難聴)などは治すことはできません。しかし最近は人工内耳や補聴器などの機器の進歩によって、日常生活での聞こえをよくすることもできるようになりました。難聴と診断された際には、専門医と聞こえの回復について十分に相談をすることをお勧めします。
Last update: 2022年11月30日