人工内耳
1歳になったばかりのたろう君は精密聴力検査機関で、生まれつきの重い難聴を指摘され、補聴器を使い、療育施設に通っていました。補聴器をつけてからすでに半年くらいたちますが、一向に音への反応は良くならず、聴力検査でも補聴器の効果がみられません。同じ療育施設で人工内耳の手術をうけた子がいて、言葉が出てくるようになったのですが、うちの子も人工内耳の手術を受けたほうがいいのでしょうか。
- Q1.人工内耳はどのような装置でしょうか
- 音を電気信号に変換する「内耳」の機能に大きな問題がある方に対して、手術的に「内耳」に電極を埋め込みます。埋め込まれた電極が外からの音に応じて電気信号を発し、聞こえの神経に信号が伝わることで聞こえるようにする装置です。
- Q2.人工内耳はだれにでも効果はありますか?
- 人工内耳手術の対象になるのは、補聴器を適切に調整しても十分な音が入らない人です。補聴器で十分に聞き取れる場合は、基本的に手術は行いません。また、聞こえの神経など「内耳」より奥に問題がある場合、内耳の形態に大きな異常がある場合は効果が十分に得られないこともあります。その他に手術の年齢、手術前の聴力の経過、お子さんの発達の状況、そして術後の療育環境などによっても得られる効果は変わってきます。また、うるさいところでのききとりや音楽については限界があります。片側の難聴の方には現在のところ、手術は推奨されておりません。
- Q3.両耳に手術を行う必要がありますか?
- 両耳に行うことで、騒がしい環境での聞き取りが向上したり、音がどちらから聞こえてくるかといった「音源定位」がよくなったりするといわれています。ただし、補聴器がある程度役立っている場合には、補聴器と人工内耳を併用したほうが良い場合もあります。担当の先生とよくご相談ください。
- Q4.手術後の生活で問題になることは?
- 頭部を激しく打撲する可能性の高いスポーツは避けたほうが良いですが、スイミング・卓球などは多くの方が楽しんでいます。携帯電話をはじめ、日常の電子機器は制限なく使えます。頭部の手術を受けたり、MRIを撮影したりするときには注意が必要ですので必ず申告する必要があります。
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人工内耳について
Last update: 2022年11月30日