慢性扁桃炎
4歳のまりこちゃんは、幼稚園に通うようになってから熱を出して幼稚園をお休みすることが多くなりました。病院にいくと必ず扁桃に白いものがついているといわれて、そのたびに抗菌薬を飲んでいます。扁桃は大きくないのに、扁桃を取ることを勧められました。
- Q1.扁桃炎の原因は何ですか?
- 溶連菌の感染で扁桃に白い膜のようなものが点々とつくことがあります。この細菌がもとで腎炎などの原因となるリウマチ熱を起こすこともあるため、のどの痛みがなくなっても一定期間抗菌薬を飲む必要があります。菌が扁桃の奥にくすぶっていると、ちょっとした体調の変化で扁桃炎を繰り返すことがあります。
- Q2.どんな時に扁桃は取ったほうが良いですか?
- 通常は成長とともに扁桃炎を起こす頻度が減ってきます。ただし、この1-2年に4〜5回/年の発熱を繰り返している場合は、頻度が自然に減ってこない可能性もありますので、扁桃摘出術を行った方が良いでしょう。また、扁桃そのものが大きく、扁桃炎を起こすたびに呼吸が苦しくなってしまう場合や、抗菌薬を飲んでもなかなか熱が下がりにくい場合も摘出した方がよいでしょう。
- Q3. 扁桃を取ると免疫が弱くなるといわれていますが、本当ですか?
- 扁桃は細菌などが体に入って病気を起こすのを防ぐ免疫を担当する器官ですが、2歳頃を過ぎるとリンパ節や胸腺などが発達してもっと免疫を高めることができるようになりますので、扁桃があってもなくても免疫力にはほとんど差がないといわれています。むしろ炎症のために抗菌薬を何度も内服していると耐性ができてしまう可能性もありますので、心配しすぎる必要はないでしょう。
Last update: 2022年12月1日