乗り物酔い
かえでちゃん(9歳)は、以前はバスに乗るといつも酔ってつらい思いをしていましたが、去年は前の日の睡眠を十分にとり座席を車の進行方向の景色が良く見える場所にしてもらったところ大丈夫でした。今年も心配ですが、どうしたらよいでしょうか。
- Q1.乗り物酔いとはどういうものですか。
- 乗り物に乗ると、乗り物の揺れが原因で顔面が青白くなり、気分が悪くなったり、吐いてしまうことがあります。これを乗り物酔い(動揺病)といいます。乗り物の種類により、車酔い、船酔い、空酔いともいわれています。遊園地のコーヒーカップやジェットコースターなどでもおこります。ビデオゲームも乗り物酔いを引き起こすことが知られています。幼児や高齢者は酔いにくく、小学校入学後から酔いやすくなり、高学年になるにつれて多くなります。小中学校の児童・生徒の30~40%、女子の方が男子より多いという統計があります。
- Q2.なぜ、乗り物酔いはおこるのですか?
- 人のからだは倒れたりしないように、自動的に姿勢を保つ調整機能(反射)があり、これを平衡機能といいます。この働きには内耳が重要な役をしています。乗り物に乗って、発進・停止の反復、スピードの変化、前後・左右・上下(最も酔いやすい刺激)・回転などの刺激を内耳が受けると、その情報が脳へ送られるのですが、慣れない刺激がくり返されると情報過多となり、脳が混乱して、自律神経に異常な信号を送ってしまいます。そうすると、生あくび、冷や汗、顔面蒼白、手足の冷感、気持ち悪さなどをおこし、ついには吐くなどの症状が出てしまうのです。
- Q3.もうすぐバスでの遠足があるのですが、乗り物酔いの予防にはどうしたらよいでしょうか。
- 乗り物酔いの予防には次のことを守りましょう。
- 前の日はよく眠る。食べすぎをしない。
- バスは前から4・5番目の席、船は中央部に乗る。
- 乗り物内の換気をよくし、いやなにおいがこもらないようにする。
- 本を読まない。遠くの景色を見る。
- 気分をまぎらわすため、歌をうたったり、ゲームをしたりする。
- 校医や主治医の先生に相談して酔い止めの薬を飲んでおく。
- Q4.乗り物に酔ってしまったらどうするのがよいでしょうか。
- 乗り物からおりてしまうのが最もよい方法ですが、できない場合は横になって、ベルトや衣服をゆるめ、腹式呼吸をさせます。頭部を冷やしたり、室内の換気をよくしてあげてください。乗り物酔いであれば間もなく回復します。
Last update: 2022年12月1日